大成建設・新研修プログラム/看板プロジェクトを先輩が語る/若手キャリア形成の参考に | 建設通信新聞Digital

6月24日 火曜日

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大成建設・新研修プログラム/看板プロジェクトを先輩が語る/若手キャリア形成の参考に

 大成建設は、社員のキャリア形成やエンゲージメント向上を目的とした新たな研修プログラム「T-プロジェクト研修」をスタートさせた。建築、土木など事業本部の垣根を越えて情報を共有し、多様な働き方の実現を支援するもので、企業風土改革の一環として位置付けている。 初回研修を16日に横浜市にある人財研修センター教場で開いた=写真。同社の看板プロジェクトである「新国立競技場」「ボスポラス海峡横断鉄道トンネル」に携わった先輩社員・OBが登壇。自身のキャリアを振り返りながら、大成建設で働く魅力ややりがいについて語った。
 登壇したのは、同社OBで元ボスポラス海峡横断鉄道トンネル作業所長の小山文男氏、元新国立競技場統括所長で現在は建築本部作業所業務推進センターに所属する伊藤清仁氏、そして同トンネルの技術担当で技術センターイノベーション戦略部に所属する伊藤一教氏。研修の進行役は、同社OBで経営学士・工学修士の研修講師である松田太一氏が務めた。
 事務系の新入社員61人が現地で参加し、全国から約500人がオンラインで視聴するなど、社内でも高い関心を集める研修となった。
 伊藤清仁氏は「私は学生時代、大学にもあまり行かないような生活をしていたが、仕事を通じて会社がしっかりと評価してくれた。とても良い会社だと実感している。事務の皆さんも、ただのサポート役ではなく、ゼネコンを共に支える大切な仲間として胸を張ってほしい」と語った。
 小山氏は「既にやりたいことが決まっている人は、その道を信じて進めばいい。決まっていない人は、目の前の仕事に一生懸命取り組むことが大切だ。その中で、自分のやりたいことや使命感が見えてくる」と呼び掛けた。
 伊藤一教氏は「大成建設は“地図に残る仕事”だ。飛行機に乗ったときに、自分が関わったプロジェクトを見ることができる。その実感と達成感こそが建設業の醍醐味(だいごみ)だ。皆でつくり上げる喜びを、ぜひ味わってほしい」とエールを送った。
 同社では社員アンケートの結果、自身のキャリアが描きづらいという課題が浮かび上がったことを受け、今回の研修を企画。管理本部人事部人財研修センター長の田中康夫氏は「今後もさまざまな部署の社員に登壇してもらい、情報発信の場を広げるとともに、参加者同士が直接コミュニケーションを取れる機会も設けていきたい」と話した。