
ラーメン店の倒産が増えている。2024年に過去最多の件数を記録し、それまでの最多を大幅に更新した。25年上期も前年同期に次ぐ過去2番目の高水準という◆ラーメンには1000円を超えると高いと感じて客足が遠のく「1000円の壁」があるとされる。国民食とも呼ばれることから、気軽に食べられるよう価格を抑える店が多かった◆だが、昨今の物価高騰や人件費上昇などで、その努力が限界を迎えようとしている。値上げしにくい業界である故に倒産件数が増えたとみられる◆政府の強力な推進により、資材価格高騰分を受注者が丸かぶりして疲弊した建設業で、価格転嫁が進みつつある。令和の“コメ騒動”で再認識したが、安くて良いものはつくれない。価格転嫁の意識をこの国に根付かせなければいけない。