国際工芸美術館を再始動/総事業費4.5億増額/25年秋に再公告/町田市 | 建設通信新聞Digital

9月7日 日曜日

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国際工芸美術館を再始動/総事業費4.5億増額/25年秋に再公告/町田市

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 東京都町田市は、落札事業者の契約辞退により停滞していた「(仮称)国際工芸美術館整備事業」を再始動する。物価高騰や設計見直しを反映し、総事業費は当初計画から4億5998万1000円増の48億4685万円になる見込みだ。市は9月補正予算案に事業費の一部として19億3874万円を計上した。市議会の承認を経て、今秋にも工事の入札を再公告する。2029年4月の開館を目指している。 事業費高騰の理由には、工事着手の遅延に伴い、4月に施行された改正建築物省エネ法への対応が必要になったほか、近年の物価高騰などを反映したことを理由に挙げている。
 同事業を巡っては、24年10月の一般競争入札でスターツCAMが28億8585万円(税込み)で落札したが、その後同社から仮契約解除の申し出があり、本契約には至らなかった。
 この契約辞退を受け、工事の着工が大幅に遅延。市は多大な損害を被ったとして、5月30日付でスターツCAMに対し約8億9500万円の損害賠償を請求した。損害額には、工事費用の増加分や関連事業の計画変更に伴う費用のほか、職員人件費などが含まれており、現在弁護士を介して交渉中だ。
 市は今秋の再公告を経て、26年3月に開かれる第1回市議会定例会での工事契約議案提出を目指している。今回補正計上した19億3874万円は、25年度から28年度までの債務負担行為として設定された事業費の一部で、主に前金払いなどに充当する。
 (仮称)国際工芸美術館の規模はRC造3階建て延べ2182㎡。国際版画美術館に隣接して建設され、市が所蔵するガラス工芸品や陶磁器など約4000点を収蔵・展示する拠点となる。29年4月の開館を目指す。