建設業は85事業場/時間外労働上限規制違反/24年4-12月 | 建設通信新聞Digital

10月12日 日曜日

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建設業は85事業場/時間外労働上限規制違反/24年4-12月

 建設業に時間外労働の上限規制が2024年4月から適用が始まり、同年12月までの9カ月間に上限規制に違反した建設業の事業場が85事業場あったことが分かった。85事業場は、都道府県労働局・労働基準監督署から是正勧告・監督指導を受けている。
 建設業への時間外労働上限規制が適用されてから法違反の事業場数が明らかになったのは今回が初めて。事業場の内訳は土木工事業が7事業場、建築工事業が38事業場、その他の建設業が40事業場。
 この上限規制違反は、労働基準法第36条6項の時間外・休日労働時間数が1カ月当たり100時間以上か、複数月(2-6カ月)平均で80時間超に該当する。
 建設業の事業場は9カ月間だが、建設業を含む全産業での労基法36条6項違反は24年(1-12月)の1年間で2156事業場だった。建設業とほかの産業とのカ月数は異なるものの、全産業の事業場に占める上限規制違反の建設業事業場の割合は3.9%となる。
 また、時間外・休日労働協定の「三六協定」で定める限度時間を超えて時間外労働を行わせていた労基法第32条の労働時間違反だった建設業の事業場は、24年の1年間で土木工事業348事業場、建築工事業703事業場、その他の建設業559事業場の計1610事業場だった。全産業での法違反は建設業を含め1万9848事業場で、8.1%が建設業の事業場となっている。
 この法違反事業場数には三六協定を結ばす時間外労働していた法違反も含んでいることから、三六協定での限度時間超の法違反事業場数は不明。
 このほか、24年に三六協定に定める休日労働の回数を超えて休日労働を行わせていた法第35条の休日違反の建設業事業場数は、土木工事業36、建築工事業69、その他の建設業80の計185事業場だった。関連して、時間外・休日労働を行わせているにもかかわらず、法定の割増賃金を支払っていない法第37条違反の建設業の事業場数は、土木442、建築751、その他590の計1783事業場あった。
 これらは厚生労働省による24年の定期監督などの対象となった事業場のうち、法違反事業場数の速報集計値。建設業は5万0290事業場が対象で、64.4%に当たる3万249事業場で何らかの法違反があった。