【継承しながら挑戦を/人間力ある人材を育成】
大建設計は、田嶋慎也取締役兼常務執行役員大阪事務所長を社長兼社長執行役員とする人事を決めた。菅野尚教社長兼社長執行役員は代表権のある会長に就く。11月25日の株主総会・取締役会を経て就任する。8日に東京都品川区の本社で会見した田嶋次期社長は「AI(人工知能)などIT環境による業務変革が進んでいるが、やはり人が最も重要だ。情報を判断して設計に“思い”を乗せることができる人間力を持った人材を育成するための施策を講じることが自身の責務だ」と抱負を語った。
このタイミングでの社長交代について菅野社長は「昨年11月にまとめた『経営方針2024』では今後の設計の在り方や社員が働く環境の在り方を示し、その中では次の世代への継承も発信している。それと同時に将来を担うメンバーと未来戦略会議を立ち上げ、議論を重ねてきた。次の方向性も練られたこのタイミングで若返りをすべきと判断し、引き継ぎを決めた。11月の株主総会までには新役員の組織も発表するが、そこでも新しい形をつくってスタートを切りたい」とその意図を説明した。
社長在任の4年間については、「『大建プラットフォーム』として全社が一つのプラットフォームの上に乗って仕事をしようと呼び掛けてきた。まだ完成ではないが、全国で実行できた。人の気持ちのつながりや仕事そのものをつなげていくなど、一つの輪の中に収められたのではないか」と振り返った。
田嶋次期社長については「大阪事務所時代には一緒に仕事をたくさんしてきた。社長を引き継いでもらう実績や実力、人柄も含めて非常に信頼ができる」と高く評価。「代表取締役会長として経営方針を一緒に実現していきたい」とエールを送った。
田嶋次期社長は指名には正直驚いたとしながらも、「菅野社長に鍛えられてここまで来たという感もある。経営方針を変えることは基本的にしない。1948年から始まった当社の歴史を踏まえ、経営方針にある『つづける』ことを大切にしていく」と強調。地域に根差しながら、各事務所同士の連携を進める方針を堅持する。
「ただ、継承だけでは企業として進歩しない。同じく経営方針にある『やってみる』にのっとって挑戦することもキーワードになる」とも述べ、最優先課題に位置付ける人材育成など「大建設計の未来を形づくる」経営にチャレンジしていく。
足元の市況は堅調ではあるものの、得意分野の一つである生産設備でもエネルギー関係へのシフトなど変化が起きているという。「売り上げは右肩上がりだが、来年も同じようなものになるとは全く思っていない。逆に気を引き締めて競争力を身に付けなければ、われわれは淘汰(とうた)されるという気持ちで臨まなければならない。たやすい道ではない」と強い決意を語った。
田嶋 慎也氏(たじま・しんや)1993年3月神戸大大学院工学研究科建築学専攻課程修了後、同年4月大建設計入社。2020年1月執行役員九州事務所長、21年11月取締役、23年1月取締役兼執行役員大阪事務所長を経て、24年11月から現職。兵庫県出身、68年7月18日生まれ、57歳。
大建設計は、田嶋慎也取締役兼常務執行役員大阪事務所長を社長兼社長執行役員とする人事を決めた。菅野尚教社長兼社長執行役員は代表権のある会長に就く。11月25日の株主総会・取締役会を経て就任する。8日に東京都品川区の本社で会見した田嶋次期社長は「AI(人工知能)などIT環境による業務変革が進んでいるが、やはり人が最も重要だ。情報を判断して設計に“思い”を乗せることができる人間力を持った人材を育成するための施策を講じることが自身の責務だ」と抱負を語った。
このタイミングでの社長交代について菅野社長は「昨年11月にまとめた『経営方針2024』では今後の設計の在り方や社員が働く環境の在り方を示し、その中では次の世代への継承も発信している。それと同時に将来を担うメンバーと未来戦略会議を立ち上げ、議論を重ねてきた。次の方向性も練られたこのタイミングで若返りをすべきと判断し、引き継ぎを決めた。11月の株主総会までには新役員の組織も発表するが、そこでも新しい形をつくってスタートを切りたい」とその意図を説明した。
社長在任の4年間については、「『大建プラットフォーム』として全社が一つのプラットフォームの上に乗って仕事をしようと呼び掛けてきた。まだ完成ではないが、全国で実行できた。人の気持ちのつながりや仕事そのものをつなげていくなど、一つの輪の中に収められたのではないか」と振り返った。
田嶋次期社長については「大阪事務所時代には一緒に仕事をたくさんしてきた。社長を引き継いでもらう実績や実力、人柄も含めて非常に信頼ができる」と高く評価。「代表取締役会長として経営方針を一緒に実現していきたい」とエールを送った。
田嶋次期社長は指名には正直驚いたとしながらも、「菅野社長に鍛えられてここまで来たという感もある。経営方針を変えることは基本的にしない。1948年から始まった当社の歴史を踏まえ、経営方針にある『つづける』ことを大切にしていく」と強調。地域に根差しながら、各事務所同士の連携を進める方針を堅持する。
「ただ、継承だけでは企業として進歩しない。同じく経営方針にある『やってみる』にのっとって挑戦することもキーワードになる」とも述べ、最優先課題に位置付ける人材育成など「大建設計の未来を形づくる」経営にチャレンジしていく。
足元の市況は堅調ではあるものの、得意分野の一つである生産設備でもエネルギー関係へのシフトなど変化が起きているという。「売り上げは右肩上がりだが、来年も同じようなものになるとは全く思っていない。逆に気を引き締めて競争力を身に付けなければ、われわれは淘汰(とうた)されるという気持ちで臨まなければならない。たやすい道ではない」と強い決意を語った。
田嶋 慎也氏(たじま・しんや)1993年3月神戸大大学院工学研究科建築学専攻課程修了後、同年4月大建設計入社。2020年1月執行役員九州事務所長、21年11月取締役、23年1月取締役兼執行役員大阪事務所長を経て、24年11月から現職。兵庫県出身、68年7月18日生まれ、57歳。