国土交通省は１４日、地域インフラ群再生戦略マネジメント（群マネ）の導入を促す地方自治体向けの手引きを公表した。群マネ導入の標準的な手順や検討すべき項目を解説。自治体間の協定書や発注図書のサンプルなど実装を後押しする支援ツールも収録した。群マネの全国展開に向けて、今後地方自治体に手引きの内容を説明していく。　「群マネの手引きＶｅｒ・１（群マネ入門超百科）」と銘打ち公表した。群マネの「計画策定手法検討会」「実施手法検討会」での議論を反映した。
　手引きでは従来の包括的民間委託の領域を超えた広域連携や他分野連携の取り組みを解説。先行事例で適用しているスキームや効果、運用のポイントを整理した。
　群マネ導入の標準的な手順として、導入検討から事業実施までをチェックリスト形式でたどれるようにした。群マネを実践する地方自治体が各段階を一つずつ乗り越えられるよう留意点のＱ＆Ａを盛り込んだ。
　群マネ導入の具体的な検討に使える支援ツールを付録として収録。現状把握や導入効果の試算ができるファイル、先行事例で活用した自治体間の協定書や発注図書のサンプルを用意し、群マネの導入に踏み出す地方自治体に役立ててもらう。
　管理責任を他の自治体に委ねるといったモラルハザード（倫理観の欠如）を防ぐ心得として、管理者の体制や役割を事前に明確にする必要性を明記。群マネ導入で壁を乗り越えた秘訣（ひけつ）など先行事例の苦労話も掲載した。技術系職員が部署間や自治体間で束になる「人の群マネ」の考え方や参考となる全国の取り組みも掲載した。
　各地方整備局などに相談窓口を設けるほか、地方自治体向けに手引きの説明会を検討する。群マネの実施状況の把握なども考えていく。
　検討会は引き続き設置し、手引きを活用した群マネの普及方法や、既存事例で知見が乏しい契約上のインセンティブ（優遇措置）などを議論する。検討成果はＶｅｒ・２の手引きにまとめる。