大成建設は、マック(千葉県市川市、宮原宏史社長)と共同で、トンネルの内空変位計測を高精度・省力的に行う自動計測システム「T-レーザートンネルウォッチ」を開発した。多数のレーザー距離計を無線で制御し、変位を連続的に長期間自動計測できる。従来、トータルステーションによる計測では機器の設置だけで約30分を要していたが、新システムは壁面に固定用ボルトを1点留めするだけで設置が完了し、計測作業の大幅な効率化を実現した。 併設トンネル工事では従来、新設トンネル工事の進捗(しんちょく)に合わせてトータルステーションを使って既設トンネルを人力で測量していた。しかし、トンネルのカーブ区間や支障物、車両の往来などにより計測範囲が制限されるほか、計測作業や計測機器の盛り替えに人手が必要であり、さらに計測データのリアルタイムでの入手や経時変化の把握が困難だった。
そこで新システムを開発した。レーザー距離計から照射されるレーザー光の入射・反射角に合わせて、正確な出力結果が得られる角度補正機能を搭載。計測のばらつきを抑制するため、レーザー距離計で所定の回数を連続計測した後に統計処理を行うことで計測精度を高めた。
この角度補正機能と統計処理により、トータルステーションと同程度の計測精度を保持しており、対象物が20m先であれば、相対変位をプラスマイナス1mmの精度で計測できる。トンネル横断面当たりのレーザー距離計の設置台数に制限はなく、同時に何台でも導入・適用が可能だ。
計測機器は、アルミ製で重さ2㎏。軽量な専用取り付け治具を使って、ボルト1点留めにより簡易にトンネル壁面に固定できる。新設トンネル工事の進捗に合わせ、既設トンネル内での計測機器の盛り替え作業を容易にした。
計測結果は、計測から最短10秒でリアルタイムに更新され、LAN経由でPC画面上に時系列で表示できる。計測値が所定の管理値を超えると、システム上でアラートが発報される機能もある。
上下線の最小離隔が380mmの併設トンネル工事である首都圏中央連絡自動車道の「横浜環状南線桂台トンネル工事」(発注者=NEXCO東日本関東支社)に適用し、計測精度や作業性などに優れることを確認した。
今後は供用中トンネルの維持管理をはじめ、幅広い分野での活用を積極的に提案する。
そこで新システムを開発した。レーザー距離計から照射されるレーザー光の入射・反射角に合わせて、正確な出力結果が得られる角度補正機能を搭載。計測のばらつきを抑制するため、レーザー距離計で所定の回数を連続計測した後に統計処理を行うことで計測精度を高めた。
この角度補正機能と統計処理により、トータルステーションと同程度の計測精度を保持しており、対象物が20m先であれば、相対変位をプラスマイナス1mmの精度で計測できる。トンネル横断面当たりのレーザー距離計の設置台数に制限はなく、同時に何台でも導入・適用が可能だ。
計測機器は、アルミ製で重さ2㎏。軽量な専用取り付け治具を使って、ボルト1点留めにより簡易にトンネル壁面に固定できる。新設トンネル工事の進捗に合わせ、既設トンネル内での計測機器の盛り替え作業を容易にした。
計測結果は、計測から最短10秒でリアルタイムに更新され、LAN経由でPC画面上に時系列で表示できる。計測値が所定の管理値を超えると、システム上でアラートが発報される機能もある。
上下線の最小離隔が380mmの併設トンネル工事である首都圏中央連絡自動車道の「横浜環状南線桂台トンネル工事」(発注者=NEXCO東日本関東支社)に適用し、計測精度や作業性などに優れることを確認した。
今後は供用中トンネルの維持管理をはじめ、幅広い分野での活用を積極的に提案する。