石本事務所と契約/スマートホスピタルを提案/福島県の双葉中核病院設計 | 建設通信新聞Digital

11月9日 日曜日

北海道・東北

石本事務所と契約/スマートホスピタルを提案/福島県の双葉中核病院設計

提案イメージ
 福島県病院局は、「双葉地域における中核的病院整備基本・実施設計業務」の公募型プロポーザルで、石本建築事務所を最優秀提案者に特定し、4億0150万円(税込み)で契約した。7者が参加し、次点は松田平田設計だった。石本建築事務所は、他社が4階建て程度を提案する中、6階建てとして平面配置をコンパクト化し、関連部門の円滑な水平・垂直連携と明快な動線計画、搬送システムの採用による機能的・効率的な「スマートホスピタル」の実現を提案した。履行期間は2027年11月8日まで。工事は26年度にも着工し、29年度以降の開院を目指す。
 大熊町大字下野上字大野98-1にある県立大野病院を、双葉地域の中核となる新病院として現地で建て替える。
 規模は延べ約2万5400㎡を想定する。開院時は診療科目3科100床前後で運用を始め、段階的に20科250床程度まで拡充する予定だ。
 石本建築事務所は、建物を高層化することで敷地に余裕を持たせ、復興途上の双葉地域の将来変化に柔軟に対応できる余剰地を確保するとした。
 病棟の平面計画は、スタッフ・患者動線がシンプルなH型とし、各所に医療従事者らの休憩・教育の場などとなる「メディカルコア」を配置して多職種連携を後押しする。100床運用時に150床分の空いた空間を多用途に利用しやすい配置・動線などにも配慮した。
 主桁架構はS造で、薄型免震装置を採用する。鉄骨のロングスパン化などにより建物を軽量化するとともに、薄型免震装置で掘削の深さを低減し、工期を短縮する考えだ。
 プロポーザルの審査は、筧淳夫工学院大建築学部建築デザイン学科教授(審査委員長)、石井敏東北工大建築学部建築学科教授、浦部智義日大工学部建築学科教授、竹之下誠一福島県立医科大学理事長ら8人の審査委員が務めた。