あるゼネコントップのインタビューで、社長が「私の顔はタイの首相に似ている」と切り出した。その場でネット検索すると、写真によっては確かに似ている◆取材中のほんの数分のやり取りにすぎないが、日々さまざまな相手と向き合う中で、こうした軽妙な“つかみ”をさりげなく差し込み、場を和ませながら距離を縮めているのだろう◆社長とはまったく違う仕事観ではあるが、記者もまた日々多くの人と出会う。しかし、社長のこうした工夫を思うと、自分の力量はまだまだ未熟だと感じざるを得ない◆タイの首相に似ているというアドバンテージを、社長がどう生かすのかは未知数だ。だが、この記事を読んだ人は、きっと検索し、確かめてしまうだろう。それは、既に社長の術中にはまっているからなのかもしれない。











