技能者の処遇改善に向けて国土交通省が始めた「建設技能者を大切にする企業の自主宣言制度(職人いきいき宣言)」の宣言企業が増えている。申請受付から1カ月が経過した13日時点で宣言企業数は371社に達した。このうち宣言した取り組みを始めている企業は215社。技能者の処遇改善に率先して取り組む企業が評価される建設産業の構築に向けて、宣言企業のさらなる広がりが期待される。 自主宣言制度は、技能者の処遇改善に取り組むことを元請け、下請け、発注者のいずれかの立場で宣言してもらう。労務費を内訳明示した見積書の作成・尊重、建設キャリアアップシステム(CCUS)の詳細型の技能者登録、取引時の宣言企業の考慮などを必須とし、取り組み開始日とともに内外に発信する。各社の取り組みを可視化、評価できるようにすることで、受注機会の確保などにつなげる。
改正建設業法の全面施行で運用が始まった労務費の基準(標準労務費)の契約段階の実効性確保策に位置付けられており、改正法施行日の2025年12月12日から申請受付が始まった。宣言企業に対するインセンティブ(優遇措置)として、7月に予定する経営事項審査の改正では宣言企業を加点する評価項目が新設される。
宣言企業の内訳は、元請けが301社、下請けが69社、発注者が1社。都道府県別では北海道が78社と最も多い。
宣言企業の取り組みを見ると、元請けでは自社で雇用する技能者に対する月給制や週休2日の導入、長期夏季休暇の確保などが目立った。1年単位の変形労働時間制による4週8休の導入を宣言した元請けもいた。
下請けについても月給制や週休2日の導入、CCUSレベルを考慮した賃金支払いなどの取り組みが並んだ。担い手の育成に向けた取り組みでは、資格取得のための資金補助、安全衛生に関する研修会の実施などが多かった。
発注者に関しては必須の宣言項目のほか、処遇改善に向けた長時間労働の是正、働き方改革を踏まえた適正工期の設定、外国人就労者のため地域社会との共生などが宣言された。
申請は随時受け付けている。宣言企業は国交省のポータルサイトで公表している。
