国土交通省は、安全・安心な道路空間を確保し、適切な道路占用の負担を構築するため、道路地下空間の利用について検討を深める。2日に有識者委員会の初会合を開き、防災・減災に向けた地下占用物の適切な埋設位置、道路交通や占用物の維持管理の観点を踏まえた占用料の仕組み、道路占用廃止時の残置物の取り扱いに焦点を当て議論することを決めた。今後、複数回の会合を経て2026年度内に議論の中間整理を行い、一定の方向性を示す。
道路に埋設されている地下占用物は、通信管や水道管、下水道管、電力管、ガス管、鉄道、地下街などがあり、国の管理道路では地下占用物の総延長が約11万㎞となっている。埼玉県八潮市の道路陥没事故では県道の車道部に埋設された下水道の損傷が原因と判明するなど、地下占用物の老朽化が課題として顕在化していることから、地下空間利用の在り方を再検討する委員会を立ち上げた。
会合では冒頭、委員長を務める久保田尚埼玉大名誉教授・日大客員教授が「道路の地下は上下水道、電気、通信、など社会インフラを収容する空間機能として非常に重要だが、地下施設の老朽化に起因する道路陥没という大きな課題を抱える。安全・安心に向けた地下空間の在り方とともに、道路管理者と占用者の役割について議論していきたい」と述べた=写真。
議事では今後の論点を確認した。八潮市の道路陥没事故では下水道など複数の占用物が輻輳(ふくそう)しているため、復旧工事が長期化している。現場は緊急輸送道路の下であることから、災害発生時の悪影響が懸念されている。こうした状況を受けて、緊急輸送道路での地下占用物の埋設位置の在り方について議論することにした。
また、占用物の維持管理や工事の際に占用者が負担する占用料について、道路管理者と占用者を連携して地下空間のマネジメントに取り組む体制が進められていることから、負担の仕組みについて再考する。
残置物に関しては、道路占用を廃止した際の占用物の撤去は交通への影響が大きい場合などに残置を認めている。件数は少ないものの残置物が原因の道路陥没が発生しているため、残置を認める場合の詳細な条件や負担の在り方、残置方法など統一的な方針を示したガイドラインの作成する。
