国土交通省は、地方自治体が直轄工事の標準歩掛かりと異なる独自の歩掛かりを作成する際の手引となる事例集をまとめた。施工実態調査や見積もり徴収で歩掛かりを設定し定期的に更新するなど、適切に運用している地方自治体の好事例を収録し、独自歩掛かりの作成手順や留意事項を示した。独自歩掛かりの作成を検討する地方自治体に参考にしてもらい、好事例の横展開につなげる。
地方自治体が積算に使う歩掛かりの多くは標準歩掛かりを準用している。標準歩掛かりは規模の大きい直轄工事をベースに設定しているため、地域建設業界からは地方自治体発注の小規模工事にはなじまず予定価格が正確に算出されていないといった指摘が出ている。
一部の地方自治体は現場条件や施工実態を反映するため、標準歩掛かりと異なる独自歩掛かりを設定。国交省の調査によると、都道府県・政令市の約半数で独自歩掛かりを作成していた。独自歩掛かりを作成したいが方法が分からないといった地方自治体もいたため、都道府県・政令市にアンケートや聞き取りを行い事例集をまとめた。
事例集には施工実態調査や見積もり徴収による独自歩掛かりの設定と定期的な更新をしている3団体の取り組みを中心に収録。ある団体は歩掛かり設定の見積もり取得を原則7社以上とし、内規で更新時期を定めて持続的に運用していた。別の団体は施工実態調査で独自歩掛かりを設定することで、都度見積もり徴収をせず実態に即して予定価格を算定していた。
独自歩掛かりの設定工種は、排水構造物工、地滑り防止工、コンクリートブロック積(張)工、大型土のう工、路盤工などだった。
独自歩掛かり作成のための調査方法は、施工実態調査と見積もり徴収の二つに大別し、各団体に対して実情に合った手法の採用を求めた。運用に当たっては設定した歩掛かりを定期的に更新、見直すためのルール整備が有効とした。
独自歩掛かりを適切に設定、更新している団体からは標準歩掛かりと比べ地域条件が反映されたとの声が寄せられているとし、国交省は他の地方自治体にも参考資料として活用してもらいたい考えだ。
