日本アスファルト合材協会(今泉保彦会長)は、イランをはじめとする中東情勢の緊迫化や為替相場の変動によるエネルギー価格の世界的な高騰などの影響で、アスファルト合材の製造販売コストも大幅な上昇が見込まれるとして、取引先と各合材工場との間における適切な価格転嫁協議の実施などを後押しするための文書を作成し、23日付で会員企業に送付した。直接的なメイン需要者の舗装施工会社だけでなく、原資の確保という意味で価格転嫁の出発点となる工事発注者にも理解と協力を呼び掛ける。
日合協によると、中東情勢などの影響が、主原料のストレートアスファルトや、合材製造に不可欠なA重油の価格を直撃している。加えて、燃料費高騰に伴う輸送コストの上昇も重なり、サプライチェーン全体でのコスト増は、会員各社が自助努力で吸収できる限界を大きく超えている。担当者によると、ストアスやA重油の取引価格は、この数カ月間も上昇基調にあったが、今後はさらなる急上昇が予見されるという。
アス合材業界は、共同販売体制を持たない中、各社が個々の経営判断に基づき、需要者と一対一で価格交渉を行う市場構造となっている。そこで日合協は、取引先との単価交渉時の支援材料として、今回の文書を作成した。
中小受託取引適正化法(旧下請法)などの趣旨に沿い、各合材工場からの価格改定の依頼に対し、真摯(しんし)に協議のテーブルに着くことや、政府の価格転嫁円滑化施策に合わせて、原材料費やエネルギーコストの上昇分を適切に反映した取引価格形成への協力を呼び掛けている。また、公共工事での価格スライド条項の円滑な適用も訴えている。
日合協は「合材価格の適正化は、単なる価格転嫁の実施ではなく、災害時対応を含めて、地域の道路を支える合材工場の供給能力を維持し、重要インフラの安全を長期的に守るために不可欠なプロセス」と主張。道路舗装業界の処遇改善や魅力向上による将来の担い手確保をはじめとした持続可能な産業の実現という観点も考慮し、適切な価格転嫁に応じてもらいたいとしている。
