国土交通省が実施した2025年度下請取引等実態調査によると、元下取引で労務費を内訳明示した見積書を元請けに提出した下請けは約7割で、うち見積額の全額が支払われたとの回答は8割近くに上った。改正建設業法では内訳明示した見積書の作成を建設業者の努力義務とする。適正な労務費確保に向けて「払うためにもらう」主体的な行動が求められる。
調査は25年6月末までの1年間の取引を対象に3万社に実施し、1万9964社から回答を得た。
元請けに対し労務費を内訳明示した見積書を「交付している」下請けは43.7%、「おおむね交付している」下請けは27.6%だった。
労務費を内訳明示した見積書を交付した際の元請けの対応を下請けに聞くと、労務費を含む見積額全額が支払われる契約となったのが75.6%に上った。見積額は減額されたが労務費は減額されない契約の下請けも18.2%いた。
改正法では労務費を内訳明示した見積書を提出・尊重する商慣行の定着を目指す。国交省は内訳明示した見積書を提出することが適正な労務費の確保につながると強調する。
見積額の労務費を減額された下請けに当初見積書と最終見積書の差を確認すると、最終見積書の方が「1割程度低い」が37.1%、「1-2割程度低い」が32.3%、「2-3割程度低い」が10.2%となった。労務費の大幅な減額は、改正法に定める著しく低い変更依頼に触れる恐れがある。
元請けに対して価格変更協議をした下請けは44.9%に上った。このうち価格変更を認められたとの回答は90.4%に達した。
工期設定については「余裕がある」「妥当」と回答した元請けが83.0%、下請けは89.7%だった。
調査結果を踏まえ、不適正な取引に該当する回答をした建設業者1万7207社に是正措置を求める指導票を送付した。回答に基づく任意調査も実施し、建設Gメン調査の端緒情報に活用する。
