東京都三鷹市は、昨今の社会経済情勢を踏まえ、大型プロジェクトを再調整する。2022年12月に策定した「新都市再生ビジョン」で、優先プロジェクトに指定した三鷹駅前の再開発や市役所庁舎などの再整備、国立天文台周辺のまちづくりについて、再検討などに着手する。三鷹駅前の再開発では、基本プランの見直しを実施。市役所庁舎は、延命化に向けた調査を検討する。
公共施設の適切な維持保全の計画的な推進を目的とした「新都市再生ビジョン」では、優先プロジェクトとして「三鷹駅南口中央通り東地区再開発事業」「国立天文台周辺のまちづくり」「学校施設の整備」「市民センターの再整備(市庁舎・議場棟などの建て替え)」の四つを掲げた。
このビジョンについて、25年11月に策定した「新都市再生ビジョンに係る施策・事業の緊急対応方針」では、26年度中に、27年度以降の取り組みを見直すとした。公共施設の適切な維持管理を基本としつつ、必要経費を精査し、将来的な施設の量的なスリム化を視野に、財政フレームとの整合を図った検討を実施する。
三鷹駅前の再開発や国立天文台周辺について、必要最小限の整備内容を厳選するとともに、時期を慎重に検討し、実現可能なプランへと転換する。市民センターの再整備は、できる限り延命化を図ることを中心に、具体的な保全内容を検討するとした。
三鷹駅前の再開発は、都市再生機構(UR)による施行が予定されている。市は再開発に向け、23年2月に、緑化空間やにぎわいの創出、商業の活性化などを盛り込んだ「『子どもの森』基本プラン」を策定した。
河村孝市長は、26年度第1回定例会の代表質問で「施設の整備イメージや機能を見直し、できる限り公益施設などの建物を縮小するなど、建物規模を抑えた方向性で再検討を進める」と述べ、「コンセプトである『減災』を軸としながら、緑化空間やにぎわいの創出、将来世代につながる価値あるものとなるよう進めたい」と覚悟を持って進める決意を示した。
国立天文台周辺については、25年9月に『国立天文台周辺地域土地利用整備計画策定に向けた基本的な考え方』をまとめた。天文台敷地北側ゾーンと第七中敷地を『おおさわコモンズ』と位置付け、一体的な土地の利用を図るとした。
河村市長は、「効率的な事業手法や配置の工夫などの観点を踏まえ、さまざまな視点から検討を進める」と答弁し、基本的な考え方の改定を進めるとした。
市民センターには、市役所本庁舎のほか、議場棟、公会堂といった公共施設が所在。26年度予算には、本庁舎の延命化に関する費用を計上した。
河村市長は「災害時の防災機能の強化、市民サービスの向上、職員の労働環境の改善など、庁舎や議場棟に必要な機能および規模を整理し、建て替えに向けた検討を進める必要がある」との方針を示した。
