国土交通省は、建設業退職金共済制度(建退共)の掛け金納付について、4月に契約する直轄工事から電子申請方式の活用を原則化した。建設キャリアアップシステム(CCUS)との自動連携の実装により、電子申請方式の利便性は向上。掛け金納付の徹底と事務負担の軽減に向けて、現状は普及が一定にとどまる電子申請方式を直轄工事で先導して広げていく。
建退共の電子申請方式は2020年10月に運用を開始。25年10月には電子申請サイトを刷新し、CCUSに蓄積した就業履歴を自動連携する機能を実装した。電子申請方式の利便性が高まり、事務負担の軽減が期待されている。
ただ、電子申請方式による掛け金納付率は1月時点で7.14%にとどまる。改正建設業法・入札契約適正化法に基づくICT指針では、掛け金の確実な納付や事務負担軽減に向けて、電子申請方式の積極活用を建設業者に求めている。
直轄工事の受注者に対し順守すべき項目を示す「指導事項」を改正し、4月から建退共の掛け金納付に電子申請方式を原則活用するよう要請した。建退共に関する事務作業を下請け任せにしないよう、元請けに対して可能な限り下請けの事務の受託に努めることも求めた。
指導事項に定める項目が履行されない場合、受注者は理由書を提出しなければならない。指導事項で電子申請方式の原則化を定めることで一層の普及を目指す。
指導事項の改正は、国交省不動産・建設経済局長、厚生労働省雇用環境・均等局長の連名で建設業団体に発出した、建退共の電子申請方式の普及を要請する文書で周知した。
改正建設業法に基づき労務費などを内訳明示した見積書の作成が建設業者の努力義務となったことを踏まえ、見積書作成に当たり適正な施工に不可欠な経費に位置付けられた建退共掛け金を適切に見積もることも求めた。
