国土交通省は21日、下水道管路の全国特別重点調査について2月末時点の結果を公表した。調査が完了した延長4692㎞のうち、要対策と判定した延長は748㎞あり割合としては15.9%となった。要対策の区間では96カ所の空洞を確認したが、全ての箇所で対策を済ませている。結果を受け、金子恭之国交相は21日の閣議後会見で「八潮市のような道路陥没事故を二度と起こしてはならないという強い決意の下、強靱で持続可能な下水道の構築に向けて一層取り組みの充実強化を図る」と力を込めた=写真。
国交省は昨年3月、埼玉県八潮市の道路陥没事故を受けて設置した有識者委員会の提言を踏まえ、1994年度以前に設置した管径2m以上の下水道管路5332㎞を対象に該当自治体に調査を要請した。各自治体は潜行目視やドローンなどのカメラによる目視調査、打音調査などを行った。
要対策判定の延長748㎞のうち、1年以内の対策が求められる緊急度Iの延長は201㎞だった。内訳を見ると、八潮市の事故現場と構造や地盤条件が類似する優先実施箇所は53㎞、それ以外の箇所は147㎞。
応急措置を実施した上で5年以内の対策が見込まれる緊急度IIの延長は547㎞。優先実施箇所が259㎞、それ以外の箇所が288㎞だった。
都道府県33団体、市町村・事務組合502団体の計535団体が調査を実施した。このうち、緊急度Iと判定された管路がある団体は277団体あった。都道府県では20団体あり、長野県では調査完了延長のうち緊急度Iの延長が約4割を占めた。国交省は同日、緊急度IIを含め対象の自治体に対し、速やかに修繕や改築などに取り組むよう通知を発出した。
昨年6月に閣議決定した国土強靱化実施中期計画では、2030年度までに調査対象の全延長で健全性を確保することを盛り込んだ。計画に基づき、国交省では25年度補正予算と26年度当初予算で要対策箇所の改築に充てる個別補助制度を設けている。
また、調査対象延長のうち、調査に着手したものの判定まで至っていない管路は429㎞、調査自体が未着手の管路は208㎞、管路内が常に満水の状態などの理由で調査が困難な管路は3㎞ある。対象の自治体には調査の早期完了を求める。調査困難な管路については先進技術の活用など打開策を検討してもらう。
