国土交通省は、直轄土木工事の総合評価方式について、成果物のさらなる品質向上につながる運用方法を構築する。技術提案の内容や工事成績には表れない長期耐久性などを含む品質への寄与に関して、受発注者に対する調査などで実態を把握し、因果関係を検証する。技術提案の作成、確認など入札者と発注者の負担を軽減する方策も検討を進める。
21日に開いた「発注者責任を果たすための今後の建設生産・管理システムのあり方に関する懇談会」の建設生産・管理システム部会で検討に着手した。
総合評価方式では技術評価点の高い入札者が落札する傾向にあり、技術提案評価型、施工能力評価型とも最高得点者の落札が8割以上を占める。工事成績についても入札時の技術評価点が高いほど低水準の成績は減少している。
ただ、技術提案の設定テーマに該当する成績項目の点数が全体平均と比べて必ずしも高くなるとは限らない。国交省は総合評価方式で確認する技術提案や施工能力と品質向上との因果関係の検証は十分でないとの課題認識を持つ。
入札者の技術提案が品質向上にさらに寄与する総合評価方式の構築に向けて、まずは受発注者向けのアンケートで実態を把握する。工事成績と成果物の健全性との関係性などを分析し、より良い総合評価方式の運用を目指す。
現行制度は入札者と発注者の双方にとって負担が大きいとの声もある。入札者は技術提案作成時の現地確認など、発注者は入札者からの質問、回答のやりとりなどに労力を要している。データを有効活用した作業の簡素化・省力化など、入札時の負担軽減に向けた方策も並行して検討していく。
会合で座長を務める小澤一雅政策研究大学院大特別教授は「(総合評価方式で)得られている効果が適正なのかをもう一度考え直すタイミングに来ている」と話した。
