農林水産省は、農業農村整備に関する技術開発計画案をまとめた。四つの重点分野を定めて大学や研究機関、民間企業などの取り組みを促し、技術開発や普及を加速する。スマート農業推進に向けた基盤整備についてはBIM/CIMなどデジタル技術の実証・開発を進める。ほ場整備ではBIM/CIMモデルを活用し、積算の自動化から情報化施工による施工管理まで一貫した施工の効率化を目指す。
同計画の期間は、2026年度から30年度までの5年間。25年7月に策定した新たな土地改良長期計画の政策目標の達成に必要な技術開発の方向性と具体的な施策を示した。
技術開発や普及に取り組む重点分野は、▽スマート農業など推進のための基盤整備▽老朽化などによる突発事故防止対策▽気候変動に対応した農業用ため池などの防災・減災対策▽地域資源の活用・環境負荷低減--の四つ。80件以上の新技術開発を目標とした。
スマート農業の推進に関し、大区画化やターン農道の整備でもBIM/CIMモデル作成を支援する設計ソフトウエアなどを普及させ、効率化や技能継承につながる。BIM/CIMの利活用を促すため、ガイドラインも作成する。暗渠(あんきょ)排水工などのほ場整備では情報化施工の普及拡大を図る。
パイプラインについては突発事故防止対策として、幹線用水路の斜面崩壊リスクの評価、管路背面の地盤調査など機能診断技術の開発を推進する。
AI(人工知能)を活用した技術の開発にも取り組む。老朽化が進む農業水利施設では機能診断データや稼働データを分析し、事故の予兆を把握する技術の確立を目指す。開水路でも、異常検知、摩耗予測といった機能診断の効率化、保全管理に関する技能の継承に向けてAI導入を進める。
施設の保全対策では、施設情報のデジタル台帳化や更新の優先度を決めるためのAI診断の実用化に取り組む。
農水省は計画案に関するパブリックコメントを実施しており、5月8日まで意見を受け付ける。
