日本建設業連合会(押味至一会長)は、業界全体を俯瞰(ふかん)した客観的な資料として、個別案件の受注交渉時などにゼネコン各社に広く活用されている「建設資材高騰・品不足に関する民間発注者向け説明用パンフレット」を刷新する。ここ数年は資材価格が高止まりの状況にあることなどを踏まえ、直近2年間の価格変動を示す資料として四半期ごとに更新・発行する。また、中東情勢が資材調達に及ぼしている影響の説明資料も加える。新たな資料集は18日に公表する。
パンフレットはこれまで毎月更新してきたが、初回発行から4年が経過し、最近は資材価格に大きな変動が見られないことから、2021年1月を起点とした過去5年間の推移を総括版としてまとめるとともに、今後の動向は四半期版に改めることにした。
最新の26年春版によると、建設資材物価(総合平均、東京)は、この2年間で7%上昇している。価格上昇が見られる主な品目と上昇率は、生コンクリートが20%、アルミ地金が43%、600ボルトビニール絶縁電線が55%、ストレートアスファルトが29%となっている。労務費上昇なども考慮すると、全建設コストは4.4-5.1%の上昇になるという。
併せて、設備工事費上昇の現状を説明するパンフレットも改定した。全国各地における大型再開発や工場、データセンター建設などの同時進行により、依然として設備工事の需給がタイトになり、資機材・工事価格が高騰している。前回25年秋版との比較では、自家発電装置や盤類、水槽類、自動制御設備は10ポイント以上の上昇となっている。労務も設備系は総じて逼迫(ひっぱく)状態が続いている。
さらに、会員企業に対するヒアリング結果を基に、中東情勢による資材調達への影響もまとめた。メーカーや協力会社から実際に納期遅延などの通知があった資材・設備を整理。工種・品目ごとに、受注制約、納期遅延、価格改定のどれが発生しているかを一覧で分かるようにした。
中東情勢の影響は躯体、仕上げ、設備など幅広い分野で発生しており、日建連会員企業では、代替品を含めた資材の調達や工程上の工夫などに鋭意取り組んでいる。現状、全社的な融通などによって踏ん張っているものの、今後の情勢次第では、工期や工事費への直接的な影響が表面化する可能性があるという。
