日本道路建設業協会(西田義則会長)のi-Pavement推進本部異分野連携ワーキンググループは、新たな街路空間・生活道路空間を整備し、まちづくりと地域発展に貢献できる舗装技術や素材、整備のヒントをまとめた成果物を発表した。道路舗装業界が“黒い舗装”だけでなく、幅広い分野に取り組んでいることや、新しい道路空間を実現する技術・材料を紹介する。主に道路管理者や専門事業者に活用してもらい、まちづくりに対して道路舗装分野ができることを広く認識してもらう。道路会社が手広い分野を手掛けていることも発信し、担い手確保にも活用していく。
人口減少や高齢化、モビリティーの多様化などにより、人と移動手段が共存する道路空間の再編が求められている。道は人やものを運ぶだけでなく、まちづくりの一環と考え、生活者の必要な空間であるとの認識に変化している。
西田会長も「これからの道路空間には、新たなモビリティーに対応した交通機能の充実化やサービスだけでなく、歩行者が滞在し交流するにぎわい空間、低速移動空間の構築など、人中心の利活用を考えた多様なニーズへの対応が求められている」とした上で、「多様な機能を重視した道路の創出は、魅力的な街づくり、地域発展への貢献につながる」との認識を示している。
成果物『道路空間が変わる…人と環境を繋ぐ道づくり-賑わい創出と地域発展に貢献する道路舗装技術の活用-』は、「対象とする道路空間の概要と求められる新たな道路空間技術」「新たな空間整備に向けて」「海外の道路空間整備」で構成する。
道路空間を、▽大都市・地方都市・中山間地域の結節点▽大都市・地方都市の商業地域の幹線道路であるにぎわいの道路空間▽生活道路--に分類し、それぞれに対応する、環境や安全性に配慮した舗装技術や素材などを紹介する。
「新たな空間整備に向けて」では路面型太陽光発電や自動運転技術に対応した舗装技術など、「海外の道路空間整備の例」では米国全州道路交通運輸行政官協会(AASHTO)の歩行者、自転車に関するガイドの概要、道路空間整備の事例をそれぞれまとめた。
各空間に対応できる会員各社の舗装技術の一覧表も設けた。今後、一覧表から各社のホームページの資料にリンクする試みも検討している。
成果物は、道路管理者や景観設計事業者、地域のコンサルタント企業、設計事務所などに活用してもらいたい考えだ。阿部長門WG長は「まちづくりの際、民地と公道との考え方を共有するコミュニケーションツールとしても使える」と話す。
成果物の取りまとめの中心的役割を担った浅井友章氏は「舗装はモノトーンのイメージがあるが、まちづくりでは異分野も加わり、カラフルになっている。進化した道路の構築のため、この資料を使ってもらいたい」、草刈憲嗣氏は「国や自治体レベルでは使う機会が少なかったさまざまな舗装技術が、これを機に広まってほしい」と期待を寄せた。
