大成建設は、2015年に開発した遮音高性能乾式二重床「T-Silent Floor」を木床構造向けに改良した。二重床による木造建築物の床高さの増加を10cm程度に抑えて天井高を確保するとともに、重量床衝撃音の遮断性能を大幅に向上させた。部材構成を簡素化することで、施工効率の向上による工期短縮とコスト低減にも寄与する。これまでにない画期的な構造のため、自社案件で積極提案するとともに外販も進める。
近年、環境負荷低減の観点などから、耐震強度や断熱性に優れたCLT(直交集成板)を床構造に使ったオフィスビルやホテル、共同住宅など中高層木造建築が増えている。一方、木床構造はRC造建築物のスラブに比べ、上階から下階に伝わる低周波数帯域の重量床衝撃音に対する遮断性能の確保が課題となっている。
一般的に乾式二重床では、遮断性能を高めるため床下地材を厚くして床全体の重量を増加させる必要があり、その結果、床高さが増大し、天井高の確保が難しくなる傾向がある。
今回、これまで多くの建築物に展開してきた床衝撃音対策用の高性能乾式二重床を木床構造向けに改良した。
床版を支える防振支持脚の代わりに、新開発の「防振根太(ねだ)」と、パーティクルボードを用いた凹型形状の面材を組み合わせた床構造を採用。この構造により、二重床の仕上げ高さを従来の15cmから10cm程度に下げることができた。
CLT二重床構造の基準床を用いた実証試験で、従来型と改良型の床衝撃音レベル低減量を測定した。重量床衝撃音の遮断性能評価の決定周波数となる63ヘルツ帯域における低減量は、従来の2dBに対し改良型では8dBとなり、衝撃音の遮断性能が大幅に向上することを確認した。
施工現場では、「防振根太」を並べ、工場でパネル化した面材をビスで固定する施工方法を採用した。作業を効率化することで、施工時間を従来の約3分の2に短縮できた。
将来的には、材工一式でも従来技術と同等のコストで導入できることを目指す。
