1951年の観測開始以来、日本列島に4番目という記録的な早さで3日に上陸した台風6号(チャンミー)。本格的な台風シーズンは例年ならば夏から秋にかけてだが、今年は6月の段階で台風への対応を迫られる展開となった。午前には関東に接近し、首都圏の公共交通機関などに影響が出る中、現場では平時に整備してきたマニュアルや行動計画に沿って現場での備えを急ピッチで進めていた。首都圏で多くの現場を抱える大手ゼネコンに対応状況を聞いた。
【災害マニュアル、情報共有システム/事前の準備が被害最小限に】
大林組は、関東で稼働する全工事事務所に社内の「台風対策要項」に基づく警戒を発令。共通のチェックリストで事務所ごとの対策のばらつきをなくし、飛散物の片付けや資材の結束、仮囲いの転倒防止、シートの固定などを徹底した。
過去の支援要請の経験から、施工済み物件などへの被害を想定した資機材を関東各地に事前配備している点も特徴だ。同社施工のオーク・ロジ厚木工事事務所(神奈川県厚木市)の現場担当者は「屋根上の資材固縛や足場シートの盛り替えなどに加え、当現場は敷地境界際の地盤に高低差があるため、外部への逸水防止に土のう積みも行っている」とコメントした。
鹿島は「現場における台風対策マニュアル」などを整備して台風豪雨に常日頃から備えている。災害情報をリアルタイム共有する独自システム「BCP-ComPAS」を活用を喚起しつつ、危険が想定される仮設物、重機、資機材の事前点検や養生強化に取り組み、最重要リスクと位置付ける「飛散防止」と「第三者災害防止」のため、シートの早期撤去や資材固定を徹底した。
大成建設は、公共交通機関の運休時には特別休暇を、土砂災害など被害が甚大と想定される現場には人命優先の行動判断を指示。「災害情報管理システム」で全国の作業所の被害・対応状況を一元管理し、情報共有を徹底した。現場ではゲートの転倒飛び出し防止対策、外部足場の倒壊防止養生、濁水排水対策、重機の転倒防止などを講じた。
清水建設は、5月28日から運用を開始した新たな防災気象情報に基づき、台風の接近に合わせて従業員向けにeラーニングを公開。防災気象情報や避難情報を注視し、従業員自らが「人命最優先」とした避難行動がとれるように周知徹底を図っている。
都内各所でも
強風対策急ぐ
大手現場のほか、都内各所の現場でも強風対策に追われた。関東接近を翌日に控えた2日、歩道上空にせり出した防護棚を畳み、足場のメッシュシートを慌ただしく固縛する姿が散見された。
首都圏で改修現場を複数掛け持つ施工管理の男性は、朝から常駐管理者へ指示を飛ばしたという。「屋上に上げていた資材は室内に移動させた。仮設ゴンドラのケージは風で暴れるため、架台にしっかり固定して対策をとった」と話した。
空き地にやぐらを立てて、地盤調査をしていた男性は、「終わり仕舞いはパイロンを持って帰る。飛ばされるから」と説明。荷物はシートに包み、金属製の重りに縛りつけるという。「一般の人との接触事故が一番怖い」と話していた。
