東京・上野にある国立科学博物館の館長に就任した恐竜学者の真鍋真氏が朝日新聞のインタビューで語っていた。博物館に課された役割は数々の標本とその研究成果を人材やノウハウ、情熱とともに継承することだと◆それは働き手の高齢化と確保という課題に向き合う建設業にも通底する。時間とともに磨かれ、蓄積された知見はかけがえがない◆先日行われた日本ダム協会と国土交通省との意見交換でも技術の継承が議題となった。事業そのものが減る状況では技術はもちろん、ものづくりにかける思いを伝えることが難しい◆折しも1963年のきょう、黒部ダムが完成した。屈指の難工事を描いた土木映画の傑作『黒部の太陽』は多くの若者の心に火をつけた。今の建設業従事者が抱いている情熱は次世代に継承できるだろうか。
