国土交通省は、2026年度スモールコンセッション形成推進事業で採択した9事業のうち、青森県弘前市の「重要文化財『旧弘前偕行社」および『旧藤田家住宅(太宰治まなびの家)』一体的活用検討調査」に派遣する専門家として、風のヘリテージ(旧バリューマネジメント)・合同会社コトプレイス共同体を選定した。国指定重要文化財などを対象に、収益事業の創出と文化施設を一体的に運営する“収益補完型スモールコンセッションモデル”を確立し、全国の自治体にも横展開する。
今後、弘前市は2026年度上期にサウンディング(対話)型調査などを実施し、下期に事業手法の整理や公募条件案を作成する。27年度は公募条件の詳細を固め、庁内の合意を形成する。28年度に事業者を公募し、選定する予定だ。29年度から新体制による管理運営を目指す。
1907年に建てられた近代洋風建築の国指定重要文化財である旧弘前偕行社(御幸町8-10、木造延べ1000㎡)と、その向いに立地する旧藤田家住宅を一体的に活用し、文化財の持続可能な収益モデルを構築するとともに、弘前大学周辺エリアの滞在価値を高めるスモールコンセッション導入構想を策定する。
旧弘前偕行社は、収益が貸館使用料と入館料に限られているほか、旧藤田家住宅は無料のため、自主財源が乏しく、維持管理費の一般財源への依存が高い。さらに現状変更行為に法的規制があり、一体的活用が未実施、持続可能な運営体制が未確立といった課題を抱えている。また、26年度に隣接する弘前厚生学院から校舎跡地約1250㎡が譲渡される見通しで、その有効活用も模索している。
今回の調査は、民間事業者へのアンケートやサウンディング調査、実施要項、事業概要説明書、ヒアリングシートの作成、現地見学会などの市場調査と、収益施設で文化施設全体を含む敷地全体の維持管理費を捻出する制度設計と契約スキームを整理する。また、エリア価値を高める官民連携モデル構築の支援、大学・学生・研究資源との連携可能性なども調査する。
