日本建設業連合会(押味至一会長)は、個々の建設現場における猛暑期間の作業回避に生かしてもらおうと、変形労働時間制の活用事例をまとめた。猛暑期間は労働時間を短縮して休日を増やすとともに、猛暑期間以外は労働時間を延長せずに休日を減らすケースなどを提示した。勤務カレンダーの扱いをはじめ、制度の要点を解説したQ&A集も作った。22日の理事会に報告した。
労働者の生命と健康を守り、入職促進を図る働き方改革の観点からも、近年過酷さが増す猛暑への対応が不可欠となっている。日建連が行った協力会社に対するヒアリングの結果によると、猛暑期間の労働時間を短縮した場合、それ以外の労働時間を延長することが考えられるが、技能労働者は体力的に1日8時間を超えて働くことが難しい側面がある。また、冬季は日没時間が早く、気温も低下するため、作業時間を延ばすことが困難という。
日建連は、このような実態を踏まえた労働時間の設定パターンを例示。猛暑期間(7-9月)は1日6時間労働、毎週週休2日、夏季長期休暇10日間とし、猛暑期間以外は1日8時間労働、隔週週休1日とする。このケースであれば、年間の総労働時間は増減なしで収められる。
休日の減少に当たっては、業界全体で進めている週休2日や一斉閉所との関係に留意が必要だとする注意点も併記した。会員企業には、完全週休2日を基本としつつ、必要に応じて柔軟な働き方・休み方を選択するよう呼び掛ける。
また、猛暑期間の作業時間を早期化するケースも示し、猛暑期間は午前6時始業・午後12時終業とするパターンを例示した。始業の前倒しに当たっては、周辺住民などへの配慮が必要としている。
変形労働時間制の導入時には、日給月給制の労働者の収入減にも対応する必要があるとし、月給制の採用が有効とした。ヒアリングを行った1次協力会社の約半数は既に月給制を採用していたが、2次以下は日給月給の割合が多いとみられる。協力会社の月給制導入に当たっては、資金繰りの確保などに留意すべきだとしている。
Q&A集では、勤務カレンダーの作成後、急な天候変化に休工で対応して、同一週内の別の日に労働させたとしても、その週の所定労働時間に収まれば、休日または時間外労働は発生しないことなどを解説。勤務カレンダーは会社ごとに作成するもので、同一現場であっても、複数の会社が同じ勤務カレンダーを作ることは不要といったポイントなども紹介している。
