鹿島とRidge-i(東京都千代田区、柳原尚史社長)は、CFT構造の鋼管柱内コンクリート充填作業における異常検出をAI(人工知能)で支援するシステムを開発した。同作業の遠隔管理が可能な鹿島の「moni-as(モニアス)」に実装した。
鋼管柱の内部にコンクリートを充てんするCFT構造では、強度確保のため鋼管柱に充填するコンクリートの品質管理が大切だ。異物混入などの異常が発生した場合には、速やかに作業を中断するなど、適切な対応が求められる。
このため従来は、施工担当者や技術者が長時間立ち会う必要があった。鹿島は、こうした負担を減らすために、遠隔地でも映像でリアルタイムにコンクリート充填の施工状況を確認できるモニアスを開発し、現場展開を進めてきた。
システムでは、AIがモニアスの配信映像を監視し、人による異常検知を支援する。AIモデルは、モニアスで蓄積してきた2000時間以上のコンクリートの充填映像を基にした学習データに、鹿島独自の施工ノウハウを組み込んで構築しており、専門技術者と同等の判断基準で異常を検知できる。
具体的には、「鋼管柱内の異物」「コンクリート性状」「ダイアフラムの通過タイミング」の三つの項目を確認する。このうち、ダイアフラムについては、コンクリート充填が適切な速度(毎分1m以下)となっているか確認するため、各ダイアフラムの通過タイミングをチェックする。診断結果は、「正常(緑)」「注意(黄色)」「異常(赤)」の3段階で画面上に表示され、判断根拠をリポートで確認できる。
開発したシステムは、さくらインターネットが提供する並列演算処理を行うVM(仮想マシン)型GPU(画像処理半導体)クラウドサービス「高火力VRT」上に構築しており、モニアスの低遅延配信と組み合わせることで、リアルタイムに複数の項目を診断できる。
鋼管柱内にペットボトルといった異物を混入させるなど、モックアップ試験で意図的に異常を再現し、システムの効果を検証したところ、3項目の全てで高精度かつリアルタイムな診断と異常検知ができることを確認。その後、複数のCFT構造の実現場にも導入し、従来どおり高い品質を確保できた。
