国土交通省は13日、技術者制度の見直しに向けた議論を再開した。技術者の担い手が不足する中でも適正な施工を確保するため、専任要件のさらなる合理化など今後の制度改正の方向性を検討する。働き方の多様化・流動化への対応や若年層のキャリアプランなども切り口に、将来も持続する制度に刷新することを目指す。
13日に「適正な施工確保のための技術者制度検討会(第2期)」(座長・小澤一雅政策研究大学院大特別教授)を2024年2月の第6回会合以来約2年半ぶりに開いた。
前期検討会の取りまとめを踏まえ、第5回会合で整理した中長期課題に対する議論を本格化する。専任要件のさらなる合理化や、元請け・下請け別の主任技術者の要件を含めた制度の在り方、工事経験の見える化、悪質な不正に対する罰則などについて方向性を探る。
第三者機関による主任技術者の実務経験や資格の統一的な確認方法、機械器具設置工事業など施工管理技士がない業種への対応も検討項目とする。
議論の視点として、▽専任制度▽技術者要件▽技術研さん▽資格者証と講習▽受検環境▽制度や手続きの簡素化▽職務や名称の定義(社会的地位の確立)▽施工能力の評価(キャリアプランの具体化)--の八つを列挙。働き方の多様化・流動化を踏まえて技術者が活躍できる制度や、働き方の変容に備えて技術者個人の経験のみに頼らない仕組みなどを視野に見直しの方向性を定める。
設計修正や災害対応、現場代理人兼務など技術者が多様で高度な役割を担っている現状に照らし、社会の認知や評価を高める方策や、大規模修繕や防災など今後高まるニーズへの対応も探る。
9日に初会合を開いた「持続的な成長産業としての建設業のあり方に関する検討会」の議論にも目を配る。検討会のベースとなった有識者勉強会での提言では、一律に専任配置を求める現行制度について、チーム力の最大化や現場単位での最適化といった視点を取り入れて納得感のある制度に見直すよう求めている。
会合で藤田昌邦官房審議官(不動産・建設経済)は「中長期の課題は本質的かつ広範で難易度が高いテーマとなるが、今後も国民の暮らしを支える建設業であり続けるためには避けて通れないテーマだ」と述べた=写真。
検討会は26年度内にあと3回の開催を予定する。必要に応じて調査やヒアリングを実施し、制度見直しの議論に役立てる。
