国土交通省は、バリアフリー施策の新たな枠組み構築に向けて本格的な議論を始めた。取り組みの地域差解消や女性、子育て世代への対応などの課題を整理し目指すべき方向性を定め、政策に反映すべきポイントや考え方を取りまとめる。17日に有識者による検討会の初会合を開いた=写真。
国交省ではバリアフリー法に基づき、高齢者や障害者が暮らしやすい社会の構築に取り組んでいる。ただ、特に地方ではバリアフリー化が立ち遅れており、車椅子やベビーカーの利用者、高齢者にとって障害が残る通行空間がまだ存在している。
一人ひとりと社会全体のウェルビーイングを向上していくためには、多様な人々が安全に安心して暮らせるようにユニバーサルデザインの考え方を踏まえた移動・生活空間のバリアフリー化を推進し、誰もがより快適に移動しやすい地域社会を形成することが必要となっている。
また少子化が加速する地域社会では子どもや子育て世帯が安心して日常生活を送れるよう公共空間のバリアフリー化も一層推進していかなくてはならない。
こうした現状を踏まえ、1月に閣議決定した第6次社会資本整備重点計画では、女性が暮らしやすく、子どもや子育てに優しい社会の形成を推進し、高齢化やデジタル化社会の進展にも対応するため、法律上の位置付けも含めてバリアフリーの新たな施策の枠組みを検討する方針を示していた。
17日の会合で鶴田浩久総合政策局長は、「ハートビル法やバリアフリー法などにより、これまで30年間でハード面の整備が進展してきた。一方、これまでの延長線上の取り組みで良いのかが問われてもいる」と語り、施策の充実強化に向けた活発な議論を参加者に求めた。
座長を務める秋山哲男中央大研究開発機構教授は、「新しい枠組みをつくる上で都市と地方の共生社会の構築を進めていく方向性が必要だ」と指摘し、人口減少下で地方で住民が生活するために交通をどうするべきかなどを一例に挙げた。
バリアフリー施策の対象者についても触れ、高齢者や障害者のほかに子育て世代や妊産婦、運転免許を持たない人なども新しく対象者として定義付けるよう求めた。
