国土交通省が一人親方を対象に実施した調査によると、改正建設業法で努力義務となった労務費を内訳明示した見積書作成の課題について、「日当のため内訳を記載することが困難」との回答が約4割に上った。改正法の努力義務に関しては「知らない」と回答した一人親方が約6割を占め、認知度向上の課題が浮き彫りとなった。
調査は一人親方の働き方の実態把握を目的に毎年度実施している。今回は2025年11月から26年1月にかけて実施し、1768件の回答を集めた。
改正法で建設業者の努力義務となった労務費を内訳明示した見積書作成で困難に感じている点を複数回答で聞いたところ、「日当のため内訳記載が困難」が35.9%と最も多かった。「複数の行程や作業を担当しているため内訳記載が手間」は18.7%、「作成したことがなく手順がわからない」は15.3%、「内訳記載項目が理解できていない」は6.5%、「作成しても受け取ってもらえない」は1.7%だった。「特になし」も33.3%いた。
努力義務の認知状況は「知らない」が55.7%と半数超を占めた。「おおむね把握している」「部分的に把握している」はともに約1割、「知っているが内容を把握していない」は約2割だった。
規制逃れを目的とした一人親方対策で活用を促している「働き方の自己診断チェックリスト」の活用状況は、「ほとんどの工事で活用している」「何度か活用したことがある」は合計で13.0%となり、前年度調査から横ばいだった。チェックリストを認知したきっかけは、元請けからの情報提供を挙げる回答が約半数を占めた。
チェックリストを活用した結果、自身の働き方が社員に近いと考えた一人親方は約4割で、このうち「取引先に雇用契約の締結を打診した」のは1割程度だった。
一人親方になる前に仕事のメリット・デメリットを調べたとの回答は45.2%。想定していたメリット・デメリットとの違いについては「おおよそ予想通り」が77.0%を占めた。
国交省はチェックリストのほか、一人親方になるメリット・デメリットを整理したリーフレットの活用を引き続き促していく。
