国土交通省は、老朽化が進む排水機場の劣化をいち早く把握するため、AI(人工知能)を活用した監視システムの研究開発を本格化する。研究開発に参画する民間事業者の公募を18日に始めた。産学官連携で10月から研究開発に着手し、2029年度に直轄排水機場への実装を目指す。
国交省によると排水機場の多くは1970-80年代に整備され、2025年3月末時点で築50年を経過した施設が約4割を占める。直轄排水機場では25年までの約40年で計363件の故障が発生。点検や施設管理を担う人材の不足、維持管理費の増大などで異常の兆候を十分に把握し切れていない現状にある。
こうした状況から排水機場の維持管理にAIを活用しようと、国交省は25年7月に産学官で構成する「インフラ施設管理AI協議会」を設置。協議会での議論を踏まえ、排水機場の状態監視と維持管理の高度化に向け「異常検知」「寿命予測」の二つのシステムの開発を進める。
公募する民間事業者は、ポンプメーカーやAIベンダーによるグループを対象とする。センサーメーカーや大学、研究機関がグループに加わることも認める。協議会に所属していない場合は入会申請が必要となる。
9月15日まで公募し、10月上旬までに選定結果を通知する。委託費は1件につき最大3000万円(税込み)で、4件程度の採択を予定する。
10月から各システムの技術開発を進める。システムの実装に向けたルール整備にも並行して取り組む。27年2月に研究開発成果をまとめる。
個別の研究開発テーマは毎年度設定する。29年度の直轄排水機場への実装後は、地方自治体管理の排水機場や上下水道など他分野への展開も視野に入れる。
