建設産業人材確保・育成推進協議会(事務局・建設業振興基金)に設置する「新たな教育訓練体系構築検討会」は19日、建設業界全体で技能者の教育訓練を支える新たな仕組みの方向性を固めた。一定の水準が確保された教育訓練を全国に広げるため、建設キャリアアップシステム(CCUS)のレベルに応じて求める能力や教育訓練の内容を示す職種ごとの「キャリア育成プラン(仮称)」を作成し、まずは新人向けの教育訓練を展開する。地域で教育訓練を行う建設業団体などを対象とした支援事業を新たに創設し、モデルとなる取り組みを後押しする。
検討会では、これまで個社によるOJT(職場内訓練)が中心だった技能者の教育訓練の在り方を見直し、業界全体での持続的な人材育成に向けた仕組み構築を目指す。同日の会合では職種ごとにキャリア育成プランを作成し、まずは離職率が高い新人を対象とした教育訓練体系を構築する方向性を示した=写真。
プランにはCCUSの4段階のレベルごとに必要な能力・資格、教育訓練の内容、年収の目安を盛り込む。職種の特性に合わせた人材育成を進めるため専門工事業団体が中心となって作成し、計画的な教育訓練につなげる。
新人向け教育訓練の実施主体は、建設業団体や職業訓練法人、連携する複数団体、地区建専連などを想定する。既存施設を活用しながら少なくとも全国のブロック単位で教育訓練が受けられる体制を整える。教育訓練で習得を目指す技能水準はCCUSレベル2(技能検定2級)の一歩手前程度とし、OFF-JT(職場外訓練)を中心に200-400時間程度の研修を見込む。
初弾事業として、建設業団体などが地域で行う新人向け教育訓練を対象とした支援事業を創設する。支援上限額は1団体当たり200万円。9月にも公募を始める予定で、先導的な取り組みを促し、成果を各地域に広げる。
新人向け教育訓練のカリキュラムや教材、講師の確保・養成策は、専門工事業団体などの意見も聞きながら今後詰めていく。新人向けの取り組みをベースに、職長・熟練技能者や登録基幹技能者の育成の在り方も検討する。
外国人材や技術者に対する教育訓練の在り方も当面の検討課題とした。また、直営施工・次世代技能者育成協議会(ASPEC)の取り組みを参考に、地域建設業が直接雇用する多能工を企業横断的に育成する仕組みも議論する。
教育訓練の受講者やその雇用主が評価され、教育訓練を通じたスキルアップが定着するよう、インセンティブ(優遇措置)を得られる仕組みも考える。
2026年度の予算は建設技能人材機構(JAC)とCCUS運営費からの拠出により9900万円を確保。支援事業のほか、検討課題の調査などに充てる。
