【建設業で働く「誇り」積極アピール/環境改善は健康最優先で】
5月22日に開かれた定時総会で会長に就任した大阪建設業協会の浅沼誠会長(淺沼組社長)が、就任から3カ月が経過しての思いを語った。担い手確保をはじめとする建設業の課題に積極的に対応していきたいとの考えを改めて強調した。
--就任から3カ月、改めて思うことは
「実感したのが、会員相互の結束力。長きにわたる歴史の中で諸先輩が築き上げてきた財産であり、最大の強みだと思っている」
「日本が改めて災害大国であることを痛感している。会長に就いた5月以降、熊本で地震が発生し、各地で大雨の被害が続発した。いつ起こるか分からない大規模災害に対する備えは重要で、平穏を取り戻すための対応はわれわれの責務だ」
--市場環境と、それを踏まえた対応について
「昨年大阪・関西万博が開催され、大変な盛り上がりを見せた。IR(統合型リゾート)建設や万博跡地の開発、大阪駅周辺や大阪城東部地区といった大型プロジェクトが今後も控えている。データセンターや物流倉庫などの設備投資計画、インバウンド(訪日外国人客)需要に伴うホテル需要なども堅調で、全国的に見ても大阪が注目度の高いエリアであることに変わりはない」
「会員各社との結束をより強固なものとし、国や大阪府をはじめとする行政機関と対話を重ねながら、大阪の建設業を持続的に成長させて会員企業が大きく羽ばたいていくことができるよう受注環境の改善に努めなければならない。一方で若者をはじめ建設業を目指す人口が減少していることは否めない。建設業の魅力を発信し建設業に興味をもってもらう施策に力を注ぐ必要がある」
--協会としての取り組みは
「社会の変化のスピードは速い。時代の要請に応じて柔軟な対応が求められていると感じている。例えば、書籍として若手技術者向けのマニュアルを作成し、その書籍を活用した会員向けのセミナーや講習会の開催にも力を入れている。ただ、近年現場が多忙なため、講習会をオンデマンドで配信し、その後アーカイブとして公開することで、自由な環境・時間に受講できる体制づくりを進めている」
--DX(デジタルトランスフォーメーション)をはじめとする生産性向上について
「DX化は大きな課題だ。特にAI(人工知能)活用が今後急速に進むことになるだろう。協会内で生産性向上の好事例を積極的に拾い上げ、水平展開させていくことを考えたい。大建協が有益な情報の共有の場となるようにしたい」
--猛暑対策を始めとする職場環境改善について
「現場で働く人の健康が最優先だ。作業時間の短縮など柔軟な対応が一層求められる。『サマータイム』は積極的に推奨したいが、実施については現場の周辺環境によるところが大きい。現時点では個々の企業の判断に委ねている側面もあるので、熱中症予防対策事例を会員間で共有するなど取り組んでいく」
--担い手確保について
「日常の生活と社会基盤を支えている建設業の重要性をしっかりと発信していきたい。それは誰かがやらねばならないことであって、あまたある職業の中で、建設業は誇り高き仕事であると私は思っている。日の目を見ない時代もあったが、処遇も着実に改善している」
「『自分さえ良ければ』という風潮が強い現代だからこそ『人のために役立つ』という建設業の職業精神は尊い。使命の崇高さと誇りを、他の職種では得がたい仕事の魅力として若い人たちに訴えていきたい」
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(あさぬま・まこと)1996年3月関西大経済学部卒後、同年4月淺沼組入社。2018年4月副社長執行役員建築事業本部長を経て同年6月から社長。72年4月18日生まれ、54歳。
