厚生労働省は16日、労働政策審議会労働条件分科会を開き、7月に閣議決定した日本成長戦略や「骨太の方針2026」を踏まえ、勤務間インターバル制度、裁量労働制、変形労働時間制、フレックスタイム制などの在り方について具体的な議論を進める方針を確認した=写真。今後分科会を月2、3回の頻度で開催して議論する予定だ。
日本成長戦略や骨太の方針では、「柔軟で多様な働き方を実現するため、労働時間法制等の政策対応について、26年夏以降の労働政策審議会で議論する」としていた。
同日の会議では、今後の論点として▽勤務間インターバル制度▽連続勤務規制▽つながらない権利▽裁量労働制▽変形労働時間制▽副業・兼業▽テレワーク・フレックスタイム制▽過半数代表者等▽法定休日▽年次有給休暇--とすることで合意した。
一方で、今後の本格的な議論を前に、委員を務める労使双方からは賛否の意見が相次いだ。使用者代表側からは、裁量労働制の活用拡大や変形労働時間制の緩和を求める意見が出た。「持続的に労働者の賃金を引き上げていくためには、原資となる付加価値を生み出していかなければならない。そのための重要な施策の一つが裁量労働制だと考えている。育児や介護がある場合でも柔軟な働き方ができ、成果に応じた処遇が受けやすくなるため、個人の能力を発揮できる。その結果、会社の業績の向上につながり賃金引き上げが実現すると考えている」としたほか、「変形労働時間制は、業務の繁忙・閑散や納期といった自社ではコントロールが難しい要因に対応するための重要な制度と考えている。一部企業からは勤務日や勤務時間の設定に対する要件が厳格で現場の状況変化に対応することが難しいとの声がある。労働者の健康確保を前提に、現場の実態を踏まえながらより利用しやすく実効的な制度を検討していく必要がある」などの意見が上がった。
労働者代表からは、「変形労働時間制は、現行でも繁忙期に応じた労働時間を設定することができる。健康や生活設計に悪影響を与えかねず、要件緩和を行うべきではない。時間外労働の上限規制は労働者の命を守るルールであり、上限規制を強化こそすれ、要件を緩和するべきではない」などと、時間外労働の上限規制を徹底すべきとの声が上がった。「時間外労働の上限規制の実行性を担保するためには、労働時間の適性な把握が必要になる。労働時間の把握義務を明確な論点に取り上げてほしい」との要望もあった。
