【公共事業予算を拡充/DXが若者のやりがい醸成】
10都県の建設業協会で構成する関東甲信越地方建設業協会長会(会長・渡邉一郎神奈川県建設業協会長)は7日、東京・大手町の経団連会館で、国土交通省などと業界の諸課題解決に向けて意見を交わす関東甲信越地方ブロック会議を開いた=写真。資機材価格の高騰や人件費の上昇などで公共投資の実質額が減少する中、2027年度の公共事業費は、25年度補正予算と26年度当初予算の合計額に、物価上昇分を反映した規模を最低限確保するよう訴えた。また、若者のやりがい醸成にも寄与するDX(デジタルトランスフォーメーション)の導入支援強化も求めた。
開会に当たり、渡邉会長は「今年は自然災害が多発しており、災害復旧工事を担う地域建設業の役割の重さと住民からの期待の大きさを実感している。一方、建設業がこれからも地域の守り手として、社会インフラの整備や災害復旧活動を行っていくためには、担い手の確保、建設DXによる生産性の向上、安定的な経営環境の構築などが求められる。国交省には公共事業予算の拡充に加え、働き方改革の不断の見直しなど、地域建設業の将来に関わる課題の解決に一層の力添えをお願いしたい」とあいさつした。
国交省の須藤明夫不動産・建設経済局長は「労務費確保の必要性や今後の資材価格高騰なども踏まえ、必要な予算をしっかりと確保できるよう対応していく」と応じた上で、業界からも各地域において十分な施工余力があることを発信してほしいと要請した。
会議では、東京を除く9建協がそれぞれの要望事項を説明した。公共事業予算関連では、補正予算依存からの脱却に当たり、これまで補正が担ってきた発注平準化の機能が崩れることがないよう、当初予算でも4月から工事着手できる仕組みの整備を働き掛けた。地方自治体の発注工事量を増やす補助金などの確保も訴えた。
多くの全国ゼネコンが好業績を上げ、大手と中小の格差が一段と広がる中、地域建設業が人材を確保して持続可能な産業となるためには、さらなる生産性向上とやりがいの醸成を推進する必要があると指摘した。DXを推進している企業ほど若手社員の定着率が高く、AI(人工知能)活用に自身のスキルアップや将来の価値を見いだす若者も多いという実態調査結果に触れ、生産性を向上させるためのDXやAIの活用が、若手のやりがいにもつながると主張。積算や施工計画、施工管理といった本業部分でのAI活用やデジタル人材の育成を後押しする支援策を求めた。
このほか、週休2日制による休工日や過去の降雨データなどに基づく作業不能日を多めに算定した余裕ある工期設定、標準積算との乖離(かいり)や施工箇所の分散、交通規制の制約などが課題となっている小規模工事に対する費用補正、低入札価格調査基準の予定価格95%以上への引き上げ、中山間地域における公共事業の費用対効果に寄りすぎない必要性評価と重点的な予算配分なども呼び掛けた。
