【業界の総意届ける】
全国建設業協会(今井雅則会長)は、国土交通省や地方自治体などの公共発注機関と現下の課題やその解決策を話し合う「2026年度地域懇談会」のテーマと日程を固めた。今年は、▽国土強靱化を含む公共事業予算の確保と価格転嫁▽担い手の確保と処遇改善▽働き方改革の推進と生産性向上▽災害対応、広報その他--という四つを大枠にして意見を交わす。それぞれの地域の実情や特性を踏まえながら議論するブロック会議と併せ、10月中に全国9地区で順次開催する。特に、補正予算と一体化される政府の新しい当初予算の姿に注目が集まりそうで、今後の“発射台”にもなる27年度予算の最大限の高さを目指し、業界もこれまで以上に声を大にする必要がある。会合は2日の中国ブロックを皮切りにスタートし、業界の総意を集約する。
全建は18日に都内で開いた協議員会に、地域懇談会の提案議題などを報告した。今井会長は「国土交通省などに地域建設業の現場の声を届け、建設産業をより魅力的なものとし、将来を担う若い世代から憧れられる産業として発展していくための意義深い機会となる。各建設業協会には、それぞれの地域の諸課題について、忌憚(きたん)のない意見を積極的に発信してもらいたい」と呼び掛けた=写真。
来賓として出席した見坂茂範参院議員は、補正予算と一体化される27年度当初予算について、「第1四半期の発注量を心配されている方もいるだろう。自民党内でも同様の問題意識を共有している。ゼロ国債やゼロ県債の活用を含めて、どのような工夫ができるか、政府に検討を働き掛けていきたい」と話した。その後、「建設業界を巡る最近の話題」について講演した国交省不動産・建設経済局の伊勢尚史建設業課長は、第1四半期の平準化について「基本的には国庫債務負担行為をしっかり年度内に用意するということだろう。必要性自体は財務当局からも一定の理解をもらっている」と述べた。
今年の地域懇談会・ブロック会議は、25年度補正と26年度当初の合計額を上回る27年度当初予算の確保、物価高騰や人件費の上昇を踏まえた実質事業量の確保をはじめ、国土強靱化実施中期計画の着実な推進や標準労務費を目安とした労務費の行き渡りなどが主な焦点となる見通しだ。
全建は、公共事業への防衛予算の活用も提案する。価格転嫁を巡っては、アスファルトなどあらかじめ調達ができない資材の設計変更による対応なども働き掛ける。
処遇改善などの観点では、公共工事設計労務単価の継続的な引き上げや、技能労働者の賃金形態の月給制への移行促進を要望。低入札価格調査基準・最低制限価格の上限枠と一般管理費等算入率の引き上げ、建設業退職金共済制度の電子申請方式の普及と複数掛け金の導入も求める。将来の担い手確保に向け、高校無償化を踏まえた工業高校入学者の確保や工業高校における土木・建築系学科の維持・拡充も話題に上げる。
働き方改革関連については、変形労働時間制の活用を含めた地域や季節の事情に応じた柔軟な働き方の推進、猛暑・厳冬といった過酷な環境下の作業効率を踏まえた適正な工期設定と歩掛かりの見直し、建設市場整備推進事業費補助金の拡充などを要請。政府の予算編成方針の転換を受け、補正予算の当初予算化を踏まえた施工時期の平準化もテーマに加える。
このほか、災害復旧工事の入札・契約制度、激甚化・頻発化する自然災害への対応力強化、災害時の指揮命令系統の一元化と対応の優先順位付け、建設業の社会的役割の発信など、さまざま課題にも向き合う予定だ。
地域懇談会・ブロック会議の日程は次のとおり(北海道、北陸は地域懇談会のみ)。
▽10月2日=中国(岡山市、ホテルグランヴィア岡山)▽5日=東海(岐阜市、都ホテル岐阜長良川)▽7日=関東甲信越(東京都千代田区、経団連会館)▽14日=近畿(福井市、ザ・グランユアーズ福井)▽15日=九州(熊本市、ホテル日航熊本)▽20日=東北(仙台市、ホテルメトロポリタン仙台)▽22日=四国(高知市、城西館)▽28日=北陸(金沢市、ホテル日航金沢)▽30日=北海道(札幌市、ホテル札幌ガーデンパレス)。
