【漫画風の週間予定表/8.3万「いいね」で大バズり】
人手不足が止まらない。さまざまな取り組みが進められているものの、一朝一夕にはいかない。帝国データバンクが今月発表した企業倒産の全国調査の結果からは、人手不足倒産が2026年度上期(4-9月)として過去最多となり、特に建設業は業種別でワースト1位と深刻な状況だ。持続可能な建設業と言うけれど、いったい現場はどうすれば……。ただ、思わぬ形で業界認知が進むこともある。きっかけは一本のペンだった。
「工事現場の週間予定表、画力もユーモアもレベル高すぎるだろwww 毎週見に来たくなる」
8月下旬。短いコメントと共に、1枚の写真がSNS(交流サイト)に投稿された。都内現場の週間予定表を、通りがかりの歩行者が撮影・投稿したものだ。よほど興奮していたのだろう。文末にはネット上で「笑う」を示すスラング「w」が三つも添えられている。
撮影者の熱量が伝播したのか、この投稿が突如として注目される。10月2日時点で好意を示す「いいね」は8万3000件。閲覧数は676万回に上る。いわゆる“バズる”現象が発生した。
写真をズームすると、「切梁架設工事」という専門用語の横に、ヘルメットをかぶった作業員が手書きで描かれ、口元の吹き出しに「もっとさげてー」の文字。翌日の作業欄に目を落とすと、今度は“目玉”付きの真っ赤な切り梁が「つっぱりたい」と話している。つり上げるクレーンにも顔が描かれ、大迫力の巨大建機の面影はない。長く伸びたアームには省略記号の波線が引かれ、小さな枠内に収まっている。
うわさを聞き、現場を訪ねたのは金曜日だった。
「次は何描こうかなー。これだと見飽きたかな。記者さん、何かネタないですか」
ナカノフドー建設の現場監督、都丸綾花さんが、来週の予定表に添えるイラスト案を考えていた。そうこうしているうち、詰め所の電子黒板にパチパチとペンを当てながらラフスケッチができあがった。入社2年目、お知らせ用のイラストは毎週欠かさず描いている。
デビュー現場で警備スタッフと打ち解け、「週間予定表にイラスト付けてよ」と冗談半分に依頼された。元々絵が好きな方。断る理由もなく、試しにちょっと、とペンを取った。1週間後、イラストの横に付箋が貼られていた。
「毎週この絵を楽しみに仕事を頑張っています。暑い日が続きますが、お互い頑張りましょう」
「よっしゃー」と気合いが入った。以来、現場に配属される度に、週間予定表のイラスト制作が日課になった。付箋を通じた近隣からのメッセージも増え続け、今ではファイルにまとめられるまでの量になった。
