【ウォシュレットなど海外展開/半導体は大幅増収増益】
2025年度決算では売り上げ、利益ともに過去最高を記録した。急激に業績が落ち込んでいた中国大陸事業は、「構造改革の結果、黒字化が見えてきた」と語る。半導体製造装置向けの部材を販売する新領域事業は、旺盛な市況により大幅な増収増益を達成。新たなビジネスモデルを探りつつ、基幹事業である住宅設備事業の海外展開を推し進める。
--25年度の振り返りを
「全体として悪くない結果だが、分野による落差が大きい。本業の住宅設備はまだ良い状態とは言えず、主に中国での立て直しに取り組む一年だった。他方、ウォシュレットが伸びている米国をはじめ、アジア、ヨーロッパの推移は順調だ。国内では、将来に向けて準備を整える“仕込み”の年となった。直ちに結果につながる取り組みではないが、非常に好調な半導体領域がこれをカバーしている」
--今後の見通しは
「半導体は、生産能力と技術進化のスピードに対応できれば今のポジションはキープできるだろう。そのための継続的な投資が肝要となる。国内住宅設備ではコストダウンが価格高騰の速さに追いつくのが困難になり、『定常的な利益をキープできる状態をいかにつくり出すか』が最大の課題だ。利益の維持・向上に向けたさまざまな方策に取り組んでおり、AI(人工知能)やDX(デジタルトランスフォーメーション)による効率化も柱の一つになる」
--具体的な方策は
「工場の自動化や間接部門のデジタル化による業務改善に加え、トイレのノズル付近にセンサーを取り付けて便の状態をモニタリングし、データに基づいたアドバイスを提案する『デイリーウェルネス』領域を強化する。機器自体の進化と並行し、これを使った新たなビジネスモデルを構築したい。連携先を限定せず、試行的な取り組みをどんどん打ち出していく。人材育成の観点では、半導体領域や海外の住宅設備事業のさらなる展開に向け、海外での幹部候補生を集中的に育成しているところだ。AIの台頭に対応した人材育成の必要性も感じている」
--海外事業の展望は
「水洗トイレの普及率を考えれば、東南アジアでは相当なポテンシャルが見込まれる。プラスアルファの要素として期待されるウォシュレットは、米国でも普及率はいまだ4%ほど。家にトイレが複数あるケースも含めればかなりの可能性があり、これを着実に獲得・展開していく」
「海外でも企業理念に基づく『親切』が欠かせない。米国では、人口30万人を超える63の都市圏でアフターサービス体制を整えてきた。顧客が安心して買い求められる環境を構築してこそ、本当の意味での拡大が実現できる」
【横顔】
(たむら・しんや)元高校球児で、今夏は「母校野球部の甲子園出場」「米国シカゴのホワイトソックス本拠地での始球式」の2大イベントで大いに盛り上がった。社内SNS(交流サイト)の「いいね」も過去最高を記録。
