辰（たつ）年は激動の年といわれるように、今年は大きな変化が生じている。日経平均株価が最高値を更新したように、経済については言うまでもない◆日銀が大規模金融緩和策を解除したのもそうだ。今春と噂されてきたマイナス金利の解除は、元日の能登半島地震で後ろ倒しするとの臆測も広がったが、日銀は１７年ぶりに利上げに踏み切った◆その背景となったのが物価上昇と賃金。特に賃金の引き上げは力強く、連合が発表した２０２４年春闘の第１回集計によると、平均賃上げ率が３３年ぶりに５％を超えた◆建設業でも、設計労務単価が今年も引き上げられ１２年連続の上昇となった。だが全産業に比べ、建設労働者の賃金は依然低い。今後の力強い賃上げのためにも、特に民間工事で適正な利潤を確保できる取り引き環境が必要だ。