美術館の機能集約/にぎわい創出へ具体案/呉市幸町地区有識者会議 | 建設通信新聞Digital

5月22日 水曜日

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美術館の機能集約/にぎわい創出へ具体案/呉市幸町地区有識者会議

 広島県呉市は、幸町地区総合整備検討有識者会議を開き、同地区の機能や配置案について検討した。呉の歴史、文化・芸術に親しむ、にぎわい拠点をキーワードに同地区に求める機能の具体案を示すとともに、機能配置については、美術館本館と別館の機能を集約し、地区内での整備場所を決める必要性や配置機能を踏まえた青山クラブ・桜松館の整備内容を検討することを確認した。
 幸町地区は、戦前には海軍の下士官兵集会所、戦後には海上自衛隊の福利厚生施設として多くの人々に親しまれてきた青山クラブ・桜松館をはじめ、国の重要文化財である旧呉鎮守府司令長官官舎や市の歴史民俗資料館などがある呉市入船山記念館、芸術拠点の役割を担ってきた市立美術館がある。地区面積は2万2759㎡。
 これまでの意見・提案を基に作成した機能の具体案は、呉の歴史を伝え、感じる施設として、郷土館・歴史民俗資料館の機能充実、海軍関連の文化作品・資料の展示・書斎の再現など、文化・芸術に親しみ、発信する施設として、美術館機能の展示スペース・収納機能の強化・拡充、音楽やダンスなどの活動が発表できるホール機能など、まちの情報発信・にぎわい拠点として、物販施設、宿泊施設などが示されている。
 機能配置案で示された市立美術館は、本館と別館を集約し、現在の本館敷地とそれ以外の地区内再配置の両面で検討する。青山クラブ・桜松館の活用については、耐震基準を満たしていないことや青山クラブの一部で基礎杭(松杭)が腐食しているなどの課題を踏まえ、全面保存、一部保存、建て替えを検討する。