徳島、香川が全国上回る/産業別でも「長時間」顕著/建設業労働時間 | 建設通信新聞Digital

5月4日 土曜日

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徳島、香川が全国上回る/産業別でも「長時間」顕著/建設業労働時間

 現場DX(デジタルトランスフォーメーション)サービス「KANNA」を提供するアルダグラムは、建設業労働時間の都道府県ランキングをまとめた。2023年11月の総実労働時間が全国で最も多かったのは徳島県で、182.6時間だった。全国平均に対して12時間以上多い。一方、最も短かったのが高知県の161.1時間で、全国平均に比べて9時間以上、徳島県とは20時間以上の開きがあった。
 調査対象は従業員5人以上の事業所となる。11月の全国順位は、1位の徳島に続き、2位が岐阜で181.9時間、3位が石川で180.2時間だった。四国を見ると、全国平均170.3時間を境に二極化した。香川が176.3時間(全国9位)、愛媛が166.8時間(33位)、高知が161.1時間(46位)となる。高知は業種別結果がない和歌山を除くと最も短い。同社によると「それでも他産業に比べて建設業の労働時間は圧倒的に多い」という。
 ランキングは、各都道府県の毎月勤労統計調査(2023年11月分)を基にまとめた。時間外労働の上限規制が適用された中、「担い手が不足しているからといって急に人を増やすことはできない。大手建設企業は若者確保に取り組んでいるが、地元を支える中小企業は大きな施策は難しい。そうした時、ITツールを導入して従来の非効率を改善することで、職人が本当に必要な作業に時間を使える労働環境につながる」と指摘する。