独自シンポを継続/若手中心に次代へ業界PR/建コン協四国が総会 | 建設通信新聞Digital

5月21日 火曜日

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独自シンポを継続/若手中心に次代へ業界PR/建コン協四国が総会

あいさつする天羽支部長
 建設コンサルタンツ協会四国支部(天羽誠二支部長)は25日、松山市のANAクラウンプラザホテル松山で第40回定時総会を開いた。天羽支部長は、2023年6月に支部独自となるキックオフシンポジウムの開催を成果として紹介した。同シンポジウムは、四国の若手技術者が夢や希望を語り、理想の未来を共創するきっかけにするもの。24年度も計画していることを明かした。 天羽支部長は「国土強靱化を一刻も早く実現しなければいけない。最低調査基準価格や単価が上がるのは良いが、その分だけ事業量も増えなければ厳しい状況は続く。災害対応などわれわれの活躍の場は広がる。支部会員57社が切磋琢磨(せっさたくま)して地域の要請に応え、安全・安心な社会の構築に貢献することが使命だ」と訴えた。
 同支部では、働きやすい環境づくりへ若手の会がワーキンググループを立ち上げたほか、次代を担う若者を呼び込むための業界PRなど活発に動いている。天羽支部長は、こうした活動を通じた支部活性化に期待を寄せた。
 南海トラフ地震への備えとして、独自の災害対応訓練を展開している。23年11月は、初めてDiMAPS(四国地方整備局の統合災害情報システム)を使ったメニューとなった。リアリティーかつタイムリーに情報が把握でき、効果を実感できたことから、24年度訓練でも導入を検討する。
 特別講演では、同協会の多田智副会長兼専務理事が『ハチャメチャ役人人生を振り返り、これからの日本を考える』と題して登壇した。多田氏は、入庁後の20代に国会審議の対応など多忙を極めたが「経験の貯金は必要」と貴重な勉強になったと振り返った。組織の在り方や人材育成のヒントとして「上の立場になったら腹をくくる。そうしなければ、下の若い人間は楽しく仕事ができない。下の人間は上に意見できるよう理論武装をしっかりすべき」「組織には多様性や意外性のある人間が必要であり、その力を付けるには趣味を持つことが大事」などとアドバイスした。
 来賓あいさつでは、菊地志郎四国地方整備局松山河川国道事務所長が「インフラを適切に整備・維持管理するには、地域建設企業の健全な発展が不可欠だ。われわれも労働環境の改善や生産性向上を進める」と佐々木淑充局長のあいさつを代読した。吉良美知宏愛媛県土木部長は「建設生産システムの上流でいかに良い仕事をするかが重要になる。皆さんの高度な知識や技術力を県土づくりに生かしてほしい」と述べた。