浮体式洋上風力発電「五島洋上ウィンドファーム」の運転開始記念式典が21日、長崎県五島市のカンパーナホテルで開かれた。再エネ海域利用法による国内初の商用運転となる。事業の代表企業である戸田建設の大谷清介社長をはじめ、来賓の国会議員や地元関係者らが出席し、福江島崎山漁港沖での本格起動を祝った。
式典で、出口太五島市長は「洋上風力で発電した再生可能エネルギーを蓄える技術を確立したい」、石原宏高環境相は「海上の発電所という社会インフラの実装は、日本のものづくりの力を強く示す」と述べた。その後、大谷社長らが起動ボタンを押し、運転開始を祝った。
事業は、戸田建設を中心にENEOSリニューアブル・エナジー、大阪ガス、INPEX、関西電力、中部電力で構成する五島フローティングウィンドファームが手掛ける。福江島崎山漁港の沖合約7キロ(水深約130ー140メートル)の海域で2・1メガワット出力の風車8基を運転し、年間約5万メガワット時の電力を発電する。
戸田建設の施工で2022年7月に着工し、26年1月5日に運転を開始した。事業期間は43年12月31日までを予定している。風車は、全長176・5メートル、ローター径80メートル。設置面積が少なく、水深が深い沖合に設置できるスパー型を採用した。戸田建設が開発したハイブリッドスパー型は、上部を鋼造、下部をPC(プレストレスト・コンクリート)造とすることで安定性向上やコスト削減を実現した。
取材に応じた大谷社長は「(風車を)大型化し、日本全体へ設置していく上で大事な経験を積めた」と振り返り、「大型化すれば発電効率も良くなる。スパー型の大型化に向け、建造技術を磨いていきたい」と展望した。
浅野均執行役員副社長は「今後は海外製の15メガワット級の風車が主流となる。大型化への対応と量産に向け、スピードアップを図りたい」と述べ、年間30基、450メガワット程度の浮体式設備の建造・設置を目標に掲げた。


