三菱地所、三菱地所設計、清水建設の3社は27日、完成すれば日本一の高さとなる「Torch Tower(トーチタワー)」の建設現場を報道機関に公開した。説明に立った清水建設常盤橋プロジェクト建設所の平野秀明副所長は、完工した地上約52メートルの「ダイヤグリッド架構」について解説。全体の鉄骨重量は1万1267トン、総溶接長は約456キロに達した。こうした膨大な施工ボリュームに対応するため、1日当たり約120人の溶接(AW)工を投入したことを明らかにした。
一周約400メートルの建物の全外周にわたり、高さ約52メートルまで連続して構成されるダイヤグリッド架構は、柱を斜めに配置し、縦にも横にも強固な三角形の骨組みで構成する。外周を連続的に固めることで建物全体で踏ん張り、巨大な建物を足元で支える。
投入した溶接工の人員規模は、関東圏にいる有資格者の約18%がこの現場に従事している計算になる。この膨大な作業を完遂するため、同社は千葉県袖ケ浦市で実物大の仮組み(モックアップ)を事前に行い、溶接工が最も作業しやすい足場の高さや姿勢を検証した。こうした徹底した準備に加え、溶接工の移動をスムーズにする外周足場の設置といった工夫により、当初の見込みよりも8日間の工期短縮を実現したという。
シャフト柱一つをとっても鉄骨重量は29トンとなる。平野副所長が「モンスター級」と称するこのダイヤグリッドの鉄骨は複雑な構造であり、極めて高い精度が求められた。これに対応するため、現場では「自動追尾型トータルステーション」を導入した。あらかじめ3D座標をインプットした機械が鉄骨のターゲットを自動追尾し、リアルタイムで座標を計測することで、迅速で正確な位置調整を可能にした。
揚重作業の効率化も重要なカギとなった。現場には国内最大級の能力を誇る1050トンのタワークレーン4台を配置。このクレーンは従来の750トン級と比較して巻き上げ速度が大幅に向上しており、300メートルの揚重時間を従来の半分以下である約5分に短縮している。
今後に向け、平野副所長は「53階以上の吹き抜け部分が最も難易度の高い局面となる。工程を厳守し、全員が一丸となって乗り越えていきたい」と気を引き締めた。
トーチタワーの規模は地下4階地上63階建て延べ約55万3000平方メートル。施行者は三菱地所。三菱地所設計が設計監理、清水建設が施工を担っている。現在の進捗(しんちょく)率は20%を超えた。28年の完成を予定している。

