2月末の米国によるイラン攻撃から1カ月余りとなる中、影響が建材分野にも波及し始めた。
国内異形棒鋼最大手の共英製鋼は3月31日、異形棒鋼を4月1日から3月契約比で1トン当たり1万円値上げすると発表した。中東情勢の混乱によるコスト増が要因で、状況に応じて今後、期中での再値上げも検討するとしている。3月に実施した5,000円の値上げと合わせ、1カ月ほどでトン単価が1万5,000円上がった。
同社は3月9日、全事業所・全品種で一時的に新規受注を停止した。同月24日に価格改定とセットで新規受注を再開し、異形棒鋼は1トン当たり5,000円の引き上げとなった。ここに今回、4月からの1万円の値上げが加わる。
影響は石油化学原料を使う仕上げ材料にも波及している。樹脂系建材を扱う大手商社担当者によると、「洗浄作業や塗料・防水材の希釈材として使われるトルエンやキシレンなどの生産減が大きく、早々に影響が出ている」という。
防水材大手の田島ルーフィングは、粘度調整に使う溶剤の一部について、新規受注を3月24日に停止した。公表情報によると、現状は「主要原料の入庫見通しが立たない極めて深刻な事態」だという。3月31日時点でも再開のめどは立っていない。
積水化学工業は1日出荷分から塩素化塩化ビニル(CPVC)樹脂、CPVCコンパウンドなどを国内向けは1キロ当たり55円以上、海外輸出向けは1キロ当たり0.5米ドル以上値上げする。短期間で各種コストが急激に高騰していることから、今後の安定供給に向けて価格を改定した。
断熱材にも影響が出ている。カネカは3月19日、押出法ポリスチレンフォーム「カネライトフォーム」を4月1日出荷分から4割値上げすると発表した。製品は、天井、床、壁などに幅広く使われる断熱製品で、影響は小さくない。さらなる値上げについても、「可能性がある」としている。
同日には、このほか複数製品の価格改定も発表した。担当者によると、3月31日時点で工場は安定操業を続けているが、サプライチェーンの混乱は避けられないとし、「原材料調達に全力を挙げている」と話した。
