2025年度に東京23区で計画された延べ1万平方メートル超の建築物の総延べ床面積は、前年同期比48・9%減の164万5736平方メートルだった。日刊建設通信新聞社の調べで分かった。件数は、前年度より18件少ない51件。1件当たりの平均延べ床面積は1万4385平方メートル縮小した3万2269平方メートル。いずれの指標も大幅な減少となっており、近年の建設費高騰などに伴う計画変更や中止・中断などの深刻な影響が顕在化している。延べ10万平方メートル超の届出案件は2件。前年度の9件から7件減となっており、17年度、21年度実績の4件を下回り、当社調べで過去10年間の最少件数となった。
調査は、建築主が「東京都中高層建築物の建築に係る紛争の予防と調整に関する条例」に基づき、25年4月から26年3月末までに提出した標識設置届全66件を対象に実施した。このうち、延べ1万平方メートルに満たない建築物を除いた51件を抽出した。
区別に建設地を見ると、延べ1万平方メートル以上の全案件のうち港、中央、千代田の都心3区は19件。前回より3件減少したものの、全体からみた割合は5・3ポイント高い37・2ポイントとなった。港区は前年度と同数の10件と最も多く、千代田区は前回の7件から4件減少した。他方で品川区では新庁舎や目黒駅ビル計画、データセンター2件の開発などにより前年度より3件多い7件となっている。
ゼロ件の区は豊島、江戸川、墨田、練馬、目黒、文京、荒川の7区。前年度の3区から倍増しており、区部の中でも都心部に大規模開発が一層集中している様子が見てとれる。前年度にゼロ件だった台東区では新たに福祉施設、共同住宅が計画されている。
用途に共同住宅を含む案件は全体の39・2%となる20件。事務所を含む案件は29・4%を占める15件となった。このうち都心3区では共同住宅が7件、事務所を含む計画は9件を数える。事務所のうちデータセンターを含めた案件は品川区の2件に加えて港区でも1件計画されており、急激な需要増に伴う建設ラッシュの一端がうかがえる。
個別案件では、都市再生機構(UR)が港区で計画する「北青山三丁目地区(再)施設建築物建設工事(Bー1街区)」の延べ17万8800平方メートルが最も大きな規模となった。次いで、組合施行による中央区の「京橋三丁目東地区第一種市街地再開発事業に係る新築工事」の延べ16万6740平方メートル、港区の「白金一丁目西部中地区第一種市街地再開発事業施設建築物(A地区)」9万8019平方メートルと続く。
第一種市街地再開発は京橋三丁目のほか、「白金一丁目西部中地区第一種市街地再開発事業施設建築物(A地区)」「勝どき東地区第一種市街地再開発事業施設建築物B棟」「板橋駅西口地区第一種市街地再開発事業施設建築物(A街区)」「囲町西地区第一種市街地再開発事業」「(仮称)築地二丁目地区第一種市街地再開発事業施設建築物等新築工事」の計6件で建築プランがまとまった。
