国土技術政策総合研究所は、100万台超のコイン型地震センサーによる地震観測ネットワークの構築を目指す。センサーの高性能、超小型、低コストの利点を生かして、詳細に地震被害を把握し的確な初期活動や避難行動につなげる。構想の具体化に向け、社会実装や活用事例の検討を行う実務者会合に参画する企業・団体を公募している。
気象庁は全国4368カ所に地震計を設置し、平均すると86平方キロに1カ所設置していることになる。ただ、それぞれ地域を代表する場所に置くため、軟弱地盤により特殊な揺れとなる場所など、個別具体の被害まで詳細には分からないのが現状だ。
そこで国総研は、技術開発が進むコイン型地震計に着目した。全国に100万台超を設置して観測ネットワークを構築することにより被害把握の高度化・迅速化につなげる。
計測震度計検定に合格したメーカーの機器は名刺の半分程度のサイズで、将来的には硬貨程度まで縮小を目指すという。電池寿命は5年。製造単価は大量生産により数千円に抑えられる見通しだ。
国総研がまとめた観測ネットワークの構想案では、電力スマートメーターの通信網に相乗りしてセンサーのデータを送信する仕組みとした。そのため、通信インフラの整備コストは解消される。費用については、初期費用と5年分のランニングコストを合わせて3万円以下に抑えたい考えだ。
地震計からのデータを基に行う被災度や健全度の判定にはAI(人工知能)を活用する方針。データ送信から10分間で判定できるシステムを目標とし、マンションや戸建て住宅などで継続利用が可能か即座に判断できるようにする。
構想の具体化に取り組む実務者会合は、▽センサーの開発・製造▽センサーのデータを収集・一元化するネットワークの構築▽数万台以上の設置を想定した活用事例ーーの3点に取り組む企業・団体で構成する。参画については、センサー開発・製造とネットワーク構築を担当する事業者は5月8日まで、活用事例を提案・実施する事業者は同月29日まで申し込みを受け付ける。
