財務省は24日までに、北海道新幹線の採算性が工事の長期化などによる事業費増加の影響で、「プロジェクトを中止すべき水準」まで落ち込む恐れがあるとの試算を公表した。その上で、事業を継続させるためには、国が鉄道会社から徴収する貸付料について、採算性を精査して適正に設定する必要があると指摘した。
北海道新幹線を含む整備新幹線は、国が整備を行い、鉄道事業者に貸し付ける「上下分離方式」を採用している。
23日の財政制度等審議会(財務相の諮問機関)分科会で、財務省は北海道新幹線の新函館北斗―札幌間について、トンネル工事の長期化などで事業費が1兆2000億円程度増加するとの見通しに基づく採算性の試算を示した。それによると、建設で得られるプラス効果を事業費で割った数値が、事業全体と未着工部分ともに「1」未満となり、国の判断基準で「基本的に中止」すべき事業に該当したという。
一方、事業費増加の一因である物価上昇は、運賃収入や不動産収益の増加などを通じて、採算性を上振れさせる可能性もある。このため、分科会の増田寛也会長代理は会合後の記者会見で「整備していくことは決まっている。今の時点でもう一度冷静に(採算性を)見て、貸付料を決めていくことにつなげたい」と話した。
