
国土交通省、成田国際空港会社(NAA)、千葉県、空港周辺の9市町は10日、成田空港で新設を予定している「C滑走路」の用地確保に向けて、土地収用制度の活用は「やむを得ない」とすることで合意した。ただ、C滑走路の新設区域では、任意での用地取得に向けた取り組みも継続する。もう一つの拡張事業となる「B滑走路延伸部」については、2029年度内の供用を目指すことを確認した。
今回の合意を受けて、熊谷俊人千葉県知事は「成田空港のさらなる機能強化の早期実現に向けて、関係者が一丸となって取り組む覚悟の表れだ」と述べた。これを契機に、成田空港の機能強化がさらに前進することが期待される。
同日、千葉県成田市のマロウドインターナショナルホテル成田で開いた「四者協議会」で合意した。同空港では1978年の開港前に強制収用が行われて以降、対話を重視してきたものの、拡張用地の取得が難航していることから、従来の方針を見直す形での合意に至った。
成田空港のさらなる機能強化に向け、B滑走路延伸部は、C滑走路に先行して29年度内に供用する。ただ、C滑走路新設に関係する用地確保率は6月末時点で90・4%まで進んだものの、一部の用地確保にはめどが立たず、任意での用地取得の取り組みを継続するとともに、土地収用制度を活用することで合意した。
熊谷知事は、これまでの反対運動といった空港整備の歴史に触れ、「苦渋の決断」とした上で「今般の成田空港のさらなる機能強化について、海外の需要を取り込み、わが国の国際競争力を確保するという国家的意義を理解し、この国家プロジェクトに最大限協力する」との考えを示した。
NAAの藤井直樹社長は「地権者と丁寧な話し合いを継続する」と神妙な面持ちで約束。B滑走路延伸部の先行供用については、「環境対策、地域政策を着実に実施するとともに、必要な追加工事などを進める。エアポートシティ構想の実現をはじめとする周辺地域のさらなる発展に向け、これまで以上に努力する」ことを表明した。
宮澤康一国交省航空局長は「地域の思いを受け止め、空港づくりは地域づくりとの考え方の下、地域との〝共生共栄〟を一層深めながら、成田空港のさらなる機能強化の実現に向けて覚悟を持って取り組む」と述べた。
