政府は、戦略17分野の投資促進に向け、建設分野の人材確保策の議論を本格的に始めた。AI(人工知能)の普及で需要が高まる半導体工場やデータセンターの建設で逼迫(ひっぱく)する設備工事業を中心に、まずは実態を把握した上で人材確保のための方策を検討する。足下の対策だけでなく、人材育成や業務効率化など長期を見据えた施策も論点となる。年内に政策パッケージを取りまとめる。
関係府省庁連絡会議の下に設置した「17の戦略分野の投資を支える建設分野の人材確保等に向けたタスクフォース」の初会合を10月30日に開いた。国土交通省、経済産業省、厚生労働省、内閣官房で構成し、尾﨑正直内閣官房副長官が議長を務める。高市早苗首相の指示を踏まえた場となる。
戦略分野の中でも、特にAI・半導体に関する民間工場などの建設需要は大きい。一方で急激な需要の増加により、建設業者の中でも電気・空調設備工事業者の不足感が強くなっている。経済調査会の直近の調査でも設備工事の逼迫感が他工種と比べて高い傾向にある。
検討会では戦略分野への投資を進めるため、工場建設など大型案件の実態を調べた上で、設備工事業を中心に人材確保策を検討する。戦略分野の建設需要の見通しを把握し、個別プロジェクトの課題に対応する相談体制の構築を目指す。
建設業界内外での人材融通を促すための支援措置や、外国人材のさらなる活用策も議論する。外国人技術者については、海外の実務経験を認定する制度の運用改善に取り組む。
建設分野の人材育成や業務効率化など、より長期を見据えた施策も議論する。業界を挙げて取り組む新たな教育訓練体系の構築や工業高校との連携、建設業退職金共済制度の見直し、変形労働時間制の活用などを論点とする。
同日の会合では建設業の供給力に関する現状の課題認識を共有。国交省は、将来の仕事量が見通せず技能者の雇用増加に踏み切れない設備工事業の課題感を伝えた。経産省は、工期の長期化が投資決定のボトルネックとする発注者側の認識を報告した。

